1.シモーヌ・ド・ボーヴォワール(哲学者・作家)
フランスの哲学者であり作家でもあったシモーヌ・ド・ボーヴォワールの言葉が、山口さんの著書ではこう紹介されています。
「私の人生の最大の成功はサルトルであった」
サルトルとはやはり哲学者・作家で、彼女と五十年以上にも渡って親密な関係を続けたそうです。
「ボーヴォワールは、古い慣習にとらわれた社会に反抗し、本を書くということに対して情熱を持っていました。(中略)彼女が自分の内にある情熱をおさえ込むことをせず、諦めず、それをなんとか実現しようとしていたからこそ、サルトルと出逢えたのではないでしょうか。」
お互いを高め合える関係。そんな相手に出会うには、まず自分の中の情熱と可能性を諦めないという強い意志が必要なのですね。自分を諦めてしまっている人に、高みに上げてくれる人は現れない。そう考えるとボーヴォワールの残した言葉にも納得です。
2.エディット・ピアフ(シャンソン歌手)
「あたしにとってこの世で大切なものは、もうあなたの他には何もないわ。あたしの声に、命に、あたしの瞳にかけて、このことをあなたに誓うわ」
彼女の恋の歌にはそのせつなさが、人を好きになる悦びが満ちています。ピアフの言葉にも、恋の歌にも「駆け引き」なんてものは存在しません。それだけ人を愛せるということに恐ろしさをも感じる程です。
駆け引きなど出来なくなるくらい、相手を愛し、愛される。恋に溺れて虜になる。その覚悟を持てたとき、あなたはピアフのような悦びと切なさを味わうことが出来るはずです。そしてピアフのような美しい表現力を身に付けることが出来るでしょう。
3.与謝野晶子(歌人)
「最初のころの恋愛関係のままでいくなんて、ありえないのだから、常に新しい風を二人の間に送りこみましょう。新たな関係性を築いていくことが大切。それが愛の創作です」
与謝野晶子は「愛の継続」について重要なヒントを語ってくれています。どんなにのめり込み、溺れるような恋だったとしても、それは永遠には続かない。でもそこに相手への強い想いがあれば、愛に昇華することができるということですね。
ふたりの関係をマンネリ化させないために本当に必要なことは、自分の出し惜しみなどではなく、新な自分の創造なのかもしれません。そうすればおのずと二人の関係にも新しい風が入り込んできます。
4.フランソワーズ・サガン(作家)
「愛することはただ『大好き』ということだけではありません。特に理解することです。
理解するというのは見逃すこと……余計な口出しをしないことです」
彼の気持ちを理解したい、と思う女性は多くいると思います。そんな想いからつい、彼に余計な口出しをしてしまうこともあるのではないでしょうか。辞書で「理解」を引いてみると、「相手の立場や気持ちをくみとること」という一文がありました。それを可能にするのは「想像力」です。
大好きであるが故に、つい彼にあなたの意見や希望を押し付けてしまってはいませんか?本来は、あなたの想像力を目一杯使って、「彼はこういう人だからしょうがないわ」と自分とは違う考えを持ち行動する彼を「見逃す」ことこそが重要なんですね。
5.テリー・マクラミン(作家)
「私は、ただ誰かにきつく抱きしめられて、よくやったねって言って欲しいだけなの。
でもそれは、息子でもママでも女友達でもダメなの」
この言葉に共感する方は多いのではないでしょうか。先生でも上司でも家族でも友人でもなく、「たった一人の大切な人」からの、心に響くメッセージ。それはあなたをとても幸せな気持ちにさせてくれますよね。もしかしたらそれは「運命の相手」の言葉だから胸に響くのかもしれません。
あなたを幸せな気持ちにさせる魔法の言葉は、彼にしか使えない。それを感じることが出来たら、あなたは「最高の恋」に溺れ始めているのかもしれませんよ。
おわりに
溺れるような恋は、怖いことだとも思います。だけど確実に、あなたの人間としての深みを育ててくれるはずです。何故なら恋愛程、他者のことを深く考え、傷つき幸せを感じることはないのですから。
一生に一度くらいは、是非溺れるような恋を体験してみて欲しいと思います。その経験はきっと、あなたに重要なことを教えてくれるはずですよ。
(水月紗綾/ハウコレ)