恋愛をあまり分析的にとらえても、つまらないことになるわけですが、誰だって、このひとと一緒にいたら明るい未来が待っているとか、このひとといたら未来が楽観視できるとか、そういう判断の上で、相手と交際を始めるはずです。
このひとといてもお先真っ暗だろうけど交際しよっかな~というひとはいないでしょう。
学歴は「済んでしまったこと」です
過去のこと……たとえば相手の学歴……そういうものは、もちろん、未来を照らすひとつの指針になると思います。
でもそれは過去のこと、つまり済んでしまったことだから、あまり参考にならなかったりもします。
今、気になっている彼がなにをしているのか? 仕事はなにをしているのか?
そもそも生きているのか? 死んでいるようにただただつまらない仕事に耐えているだけのひとなのか?
この「今」の彼をどう見るかによって、将来にわたって楽しい恋ができるかどうかが決まります。
浮気のメカニズム
結婚して5年10年経ったときに浮気をするというのは、夫婦で未来がほぼ確定しているからです。
結婚して10年も経つと、たいていの場合は、住宅ローンの返済にあと何年かかって、今の車のローンが何年後に終わって、次、車を買い替えるならいくらくらいの車で、子どもはそのころには、だいたいどのランクの学校に通って、旦那は(あるいはじぶんは)どのくらいの年収になっているか、わかってきます。
もちろん、「だいたいわかること」が、夫婦における共通の目標となって、それなりに愛のある穏やかな生活が続きます。
でも、それだけでは物足りないから、浮気をするわけです。
ほとんど満ち足りたような生活をして、なにが物足りないのか?
浮気をするひとは欲張りなのか?ただの淫乱なのか?
そうではなくて、生活に楽しさがないから、浮気をするわけです。
未来がほぼ確定したら、あとはよほどのことがない限り、あたしの人生はこの範囲で収まるなと思う、すると未来が限定的に思えてきて、楽しいことをしたいと思う。
それが、それなりに社会的地位があるひとがおこなう浮気のメカニズムです。
浮気を推奨するわけではありませんが、そういう恋愛は、やる意味がある。
楽しい未来を創造(想像)できるから、やる意味がある。
なぜか?
ひとは希望がないと生きていけないからです。
今なにができるかがすべて
なにかの本に書いていましたが、ある刑務所では、砂の山をすぐ隣に移すという作業をするそうです。
隣の山にすべての砂を移し終えたら、今度はそれをもとに戻す。これを延々と繰り返すそうです。
当然、生きる希望がなくなっていくので、精神的にすごく追いつめられるそうです。
浮気の話をしましたが、若いひとの恋愛もおなじです。
彼の過去などどうでもよく、今、彼は輝いているのか? 今の彼とどんな未来を共有できるのか。
そこにフォーカスを当てると、恋はすごく楽しいものになります。
今、彼氏を探している女子は、彼の過去ではなく、彼と「今」なにを共有できて、その結果どんな未来予想図を描くことができるのかだけを考えてみると、明日にでも彼氏ができるかもしれません。
過去のことをあれこれ聞かれて、つまらない思いをしているひとの多いこの世の中。
せめて恋愛だけでも、「今なにができるかがすべて」という考え方でやらないと、つまらないと思いませんか?
(ひとみしょう/ライター)
(こいずみさき/モデル)
(柳内良仁/カメラマン)