・・・トイレで用を足したくて並んでいるのですが、なかなか順番が来ないんです。隣の列に並び直すとまた順番が来ない、やっと私の番と思ったら急に壁がなくなって、便器だけがあらわになって何もできないとか。結局用を足したのですが、「なんでこんなに苦労しなくてはいけないの~」と思いました。・・・実は今風邪をひいて苦しいのです。
筆者の著作で紹介した当時20代の女性の夢ですが、順番待ちやなかなか用を足せないイメージは、典型的なトイレの夢です。もっとも多いイメージで、風邪や体調不良によって体の代謝が悪い時、実際に尿意を催している時にこのような夢を見ます。お酒を飲んで眠り込んでしまった時にもこのような夢を見た覚えはないでしょうか。ではトイレにまつわるいくつかのシンボルをご紹介します。
便器の夢
・・・自宅のトイレで用を足し、ちょうど水を流したところから夢は始まります。トイレから出ようとするのですが、茶色の「アレ」が逆流して便器から溢れ出してきます。流れないのです。それどころか勢いは止まりません。トイレのドアを開けっ放しにして逃げるのですが、大量の排泄物が私のリビングにまで押し寄せてきました。最後はパニックになって叫んでいました。
これは30代の女性会社員の夢ですが、外資系会社に勤める彼女は、この夢を見てからまもなく自分のボーナスの大幅アップがわかったそうです。基本的に便器が印象的にあらわれる夢の多くは自身の下半身の器官を象徴します。ただし、この実例のように、便が止まらない、便があふれるなどの夢は吉兆になり、金運アップの予知夢になることがあります。
壊れたトイレの夢
トイレが壊れる夢は要注意です。特に便器や温水洗浄便座、パイプの破損は、循環器や臓器の障害や急性疾患の暗示になることがあります。また、トイレのドアが壊れる夢も、体調不良の反映になります。トイレの壁がなかったり、大きな穴があちこちに開いていたりするのは、体調が不安定で体力が消耗していることを反映します。
トイレを掃除する夢
・・・広いけれどひどく汚れたトイレにいます。古い会社か学校のような感じです。室内の床も便座も汚れていて、まともに使う気にはなりません。私はすぐに用を足したいけれど、我慢しながら、掃除用具の棚からタワシを出して便器や床をごしごし洗っていました。
これは30代の兼業主婦の夢です。この夢を見た当時、胃腸の状態がとても悪く、体調が優れなかったそうです。トイレを掃除しているので、かろうじて潜在的な自己治癒力が働いていることをあらわしているのですが、日ごろから生活のリズムが乱れがちで、自身の体調管理がずさんになっていることを反映します。また、特に便器を掃除しているイメージは、下半身の循環器や臓器に何らかの不具合があることを反映します。トイレが汚い夢は基本的に不摂生や代謝の乱れをあらわします。
公衆トイレの夢
冒頭で紹介した夢のように、屋外のトイレで用を足そうと並んでいる夢は、基本的に代謝の低下、循環器の不調をあらわします。特に駅や公共施設のように大勢の人が利用する公衆トイレのイメージは、流行性疾患にも注意をはらってください。
もっともポピュラーなトイレの夢
トイレの夢は、もっとも多くの人が見る夢のひとつです。就寝中に尿意を催している時、普段と違う飲酒・飲食をして眠った時などにもこのような夢をよく見ます。尿意や代謝の変化、現状の体調を反映することが多いのは、便器のデザインが私たちの下半身の器官をそのまま象徴しているからです。ちょうど便器のかたちは下半身を、トイレ室内のパイプは体をめぐる循環器をそれぞれ象徴します。
トイレの夢にはこのように代謝や循環器の不調をあらわす夢と、金銭の循環を象徴し、金運アップの兆候になる夢があります。ほとんどは尿意や体調に関する夢が多く、金銭の予知夢になるものはまれですが、排泄物が大量に溢れ出す、排泄が止まらないといったパニック系の夢を見たら、きっと何か思いがけない出来事の予兆になっているでしょう。
(梶原まさゆめ/ライター)