・・・原っぱにいると、白いぽよぽよした犬がなついてきます。飼い主のおばさんはそろそろ犬を連れて行きたいのに、その犬は嫌がって彼女から逃げます。私が行くとうれしそうに近よるのですが、おばさんが来ると嫌がります。私は「飼い主からどうして逃げるのか?」と聞くと、その犬は「みんな洋服を着ているのに僕は着ていない。半ズボンがほしい」と日本語で答えます。
当時20代の主婦の実例ですが、彼女はこの夢を見た時期は海外で生活をし、そこが英語圏ではないためにコミュニケーションにはたいへん苦労されていたそうです。言葉を話す動物は、コミュニケーションが一方通行で、意思の疎通が難しい状況を象徴します。では、コミュニケーションにまつわるシンボルのいくつかをご紹介しましょう。
言葉を話す動物の夢
言葉を話す動物の夢は一方通行のコミュニケーション、周囲の人との意思の疎通の難しさをあらわします。その時の動物は自分自身を象徴し、自身に問いかけている内省的な心の状態を映します。また、自身が現在の環境に馴染めないこと、対人環境から生じる強い違和感をあらわします。
メールの夢
・・・現在、私は社会人ですが、夢の中では学校の教室にいます。授業中、前のほうの席に座っている好きな同僚にメールを送ります。返信がこないので何度も送りますが、やはり返事は来ません。送ったメールを確かめると、なんと職場の上司のアドレスに間違って送り続けていました。「えっ?あー、どうしよう・・・」と思っていると、その上司がいつの間にか教師として教壇に立って携帯電話を見ています。私は思わず机に顔を伏せました。すると、上司の足音が聞こえ、私の席に近づいてくるのがわかりました。
これはある女性会社員の夢ですが、この時、好きな人とコミュニケーションをとるチャンスがなく、やがて彼も異動によって職場を去ることになり、結局好きなことを伝えることもできなかったそうです。ちなみに上司との関係はなぜか良好だそうです。メールの返信が来ない夢は、コミュニケーションが一方通行になっていることをあらわします。
外国語の夢
実際に外国語を話す機会がない場合、一般的な人の夢では、慣れない外国語を使う夢は基本的に意思の疎通の難しさを反映します。反対に、流ちょうに外国語を使っているなら、コミュニケーションの進展を暗示します。
声が出てこない夢
・・・母と口論をしています。話の内容はよく覚えていませんが、母に言い返そうとすると言葉がうまく出てきません。声を出そうとしても音声が出ず、口をパクパクしているだけです。そのうち母の顔は狂気じみてきて、私の首を何度も絞めようとしてきます。「いやっ、やめて!」と叫んでも声になりません。やっと声にならない小さな声が出たところで目覚めましたが、寝汗でびっしょりでした。
この夢を見た女性は、その後まもなく、長期の夏風邪にかかってしまったそうです。基本的に、叫ぼうとしても声がかすれてしまう、口をパクパクしているだけで声にならない夢は、風邪や急性疾患の予兆になります。また、言いたいことがあって声を出そうとしても声が出ない夢は、対人的な葛藤や不和の暗示になっていることがあります。
言葉や文字を使う夢はコミュニケーションの違和感をあらわす
言葉を話す動物に限らず、言葉を話す人形や着ぐるみ、話をする植物や物の夢でも、同様に不自由なコミュニケーションや意思の疎通の難しい対人環境をあらわします。また、声が出ない夢は、基本的に身近な人とのコミュニケーションの葛藤だけでなく、風邪のように、身近な人との自然なコミュニケーションを阻害する口や喉の急性疾患を暗示します。心身の不調和、この両面を記憶に留めておいてください。
(梶原まさゆめ/ハウコレ)