この季節は景色の彩りが鮮やかなので、天気がいい日に外を歩いていると、ついつい歌なんか口ずさみたくなりませんか?
そんな今回のテーマは、「モテる歌」。でも、歌といっても和歌、なかでも「百人一首」です。
なかなか使う機会が少ないかもしれませんが、人気マンガ「ちはやふる」も実写化されることですし、ちょっとした瞬間にしれっと一句詠めるとオシャレなのでぜひこの機会にいかがでしょうか。
今回、「モテる百人一首~春の歌編~」を教えてくださったのは、日本一の歓楽街銀座で夜な夜なリッチな紳士たちを知的な会話でおもてなししている、高級クラブ「昴」のNo.1ホステスこころさん。日本古来の艶っぽい世界をご堪能あれ。
「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける 紀貫之」
古典の授業でおなじみ紀貫之の歌です。ざっくりとした意味は「人の心は変わってしまうけど、花の香りは変わらないね」という感じのようです。
こころさんいわく、「新生活がはじまって、浮かれている方に皮肉で使うといいかもしれませんね。ぼそっと言うと知的でミステリアスな感じがして男性もドキドキするのではないでしょうか」とのこと。
「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に 小野小町」
世界三大美女のひとり小野小町の歌です。ざっくりとした意味は、「花は色あせるって言うけど、私もだいぶさびついたなぁ」という感じでしょうか。
こころさんによると、「新生活で疲れたときに使うといいのではないでしょうか。
言ったあとに『●●さんに癒してほしいなぁ』と付け加えれば更に好感度がアップするかもしれませんね」だそうです。恐るべし!
「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は振りつつ 光孝天皇」
これを詠んだ光孝天皇ってすごいイケメンだったらしいです。要約すると「君のために花を摘んでたら雪が降ってきたよ。なんかせつないね」みたいな感じですね。
こころさんによると、「ちょっと肌寒い日に使うといいですね。意味はさて置き字面がきれいなのでメールやラインで送るといいかもしれません」。
確かに「春」「若菜」「衣」「雪」とかきれいな情景を想像させる字が多いですね。
「ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ 紀友則」
メジャーじゃない人の歌ですが、歌は有名です。意味は「春の日差しっておだやかなのに、どうして花は急いで散っちゃうのかな」みたいな感じですね。
こころさんによれば、「お食事や映画のあとにお礼に添えてお送りするといいですね」。
意味を聞かれたら、「楽しい時間って早くすぎちゃいますよね」って返せば、知的小悪魔キャラとして更にモテちゃうとのことです。
「高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ 前中納言匡房」
名前が難しい人の歌です。意訳すると「すごく遠くの山にきれいな桜が咲いてるなぁ。雲で隠れなければいいなぁ」みたいな感じです。
こころさんによると、「情景を切り取った歌なのであまり意味はないんですが、口に出した後に『古典の授業って懐かしいですね』と付け加えれば、高校時代のお話で盛り上がれるはずです」。さすが、No.1のトーク術。脱帽です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?コミュニケーションのプロである銀座のホステスさんのテクニックは参考になりましたか?
こころさんは、お客様にお手紙を書く際に、和歌や短歌をそえるそうです。
ちょっとした気遣いをするだけでコミュニケーションって全然変わりますよね。ぜひ、参考にしてみてください。
(高尾龍一/ハウコレ)
(新部 宏美/モデル)
(柳内 良仁/カメラマン)