突然ですが「チコちゃんに叱られる!」(NHK)というTV番組を知っていますか?
恋は感情であり、愛は行動である
“Love is a verb. Without action, it is merely a word.(出典不明)”
「愛とは動詞である。行動なき愛は単なる言葉にすぎない」(川口訳)
世界的な名著『7つの習慣』の著者であるスティーブン・コヴィーも、本の中で似たようなことを述べています。
「好き」というのはただの感情です。誰でも持っている普遍的な感情であり、何もしなくても湧いてくるものです。
ただし愛は違います。放っておいて生まれるものではありません。自ら選択し行動することによってでしか愛は育まれていきません。
恋は自然発生であり、愛は自家発電。自分で発電する(つまりは自主的に主体的に行動するということ)からこそエネルギーが生まれ、それが愛を形作っていくのです。
恋は違いを嫌い、愛は違いを受け入れる
“When men and women are able to respect and accept their differences then love has a chance to blossom.(snip)Love is magical, and it can last, if we remember our differences. (ジョン・グレイ著『ベスト・パートナーになるために』より)”
「男女がその違いを尊重し受け入れたとき、愛が花ひらくチャンスが訪れる。(中略)愛は魔法であり、我々がその違いを忘れない限り、永遠に続くものである」(川口訳)
全世界で5,000万部という驚異的なベストセラー本を送り出した、ジョン=グレイ博士の言葉。
この本では「男女の違い」について強く言及されていますが、男女に違いに寄らず親子関係や友情についても言えることだと僕は思います。
人は、自分が大切にしたい人が「自分と違っている」ことを恐れ、自分と同じ価値観になるように相手を変えようとします。
つまり、相手を「自分の思い通りになるようにコントロールしよう」としてしまうんです。恋愛がうまくいかない人の8割はこれが原因だと言っても過言ではありません。
人を愛するということは、その手に持ったコントローラーを手放すということです。
相手がどんな人であっても、どんなに自分と違う価値観を持っていたとしても、それをコントロールしようとせず、ありのままを受け入れることがとても大事です。
恋は二人の間で完結し、愛は二人の周囲を巻き込む
“Love does not consist in gazing at each other, but in looking outward together in the same direction.(サン=テクジュペリ著『人間の土地』より)”
「愛は、お互いに見つめ合うことではなく、ともに外に目を向け、同じ方向を見つめることの中にある」(川口訳)
かの有名な『星の王子様』の著者、サン=テクジュペリの言葉です。
ちなみにこれは、男女の恋仲について言及したセリフではなく、彼の乗った飛行機が砂漠に墜落し、食糧も水も尽きた状態から奇跡的に生還した彼とその僚友とのエピソードの中で語られるセリフです。
近くにあったピストルに手を取らずに、偶然見つかった一つのオレンジを分け合い、希望を求めて「見つめ合わずに外に向き同じ方向を見た」時のセリフなんですね。深すぎる…!
「恋は一人でするもの、愛は二人で分かち合うもの」という意見がありますが、僕はこれでも少し弱いと思っています。
その人を愛するということは、その人を取り囲むもの(家族だったり友人だったり故郷だったり)を愛することだと思うんです。
原文にある「looking outward together」という、お互いがお互いの“外側”をみて、同じ目線で歩んでいくこと、その中にこそ愛はあると思うんです。
恋が愛になると、恋愛の悩みは消えてしまう
こうやって改めて考え直してみると、いかに自分が「ボーっと生きてきて」しまったか反省させられました。
僕が恋愛相談に乗っていて思うことは、相談者さんのほとんどが「恋」に悩んでおり、「愛」には悩んでいないということ。
恋が愛になった瞬間に、恋愛における悩みは解決してしまうんです。
もしあなたが今自身の恋愛について悩んでいるなら、あなたはまだ「恋」している状態であり、「愛」している状態ではないのかもしれません。
チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」って叱られないよう、あなたも今日から「恋」を卒業して「愛」をスタートしませんか?(川口美樹/ライター)