芸人をしている知り合いが以前こんな話をしていました。
1.お店に「いいね」した?
「お店選びは男子にとってデートにおいてひとつの重要な役目だと思うので、それに対してノーリアクションだと寂しいし、逆に褒めてもらえたら、当然嬉しいよね」(エンジニア/25才)
男子にとって、お店選びは「恋愛」のありとあらゆるセンスが試される場所です。
「あの子はどんなものが食べたいの?」だけじゃありません。「どういうムードのお店なら、今のふたりの関係性にぴったりかな?」「もっと恋人っぽい関係になっていきたいから、少しだけそういう雰囲気あるお店の方がいいかな?」「彼女のお家がここだから、ここの駅なら行きやすいし帰りやすいかな?」「彼女タバコ嫌いだから、全席喫煙のお店は無理かな」
ぱっと思いつくだけでもこれだけ、彼らがお店選びで考慮するポイントはあって、これらの総合考慮の集大成が、「今日のお店」なんです。自分たちの洋服選びなんかよりも、数倍力を込めてる(もうちょっと服選び頑張れよって思うときはありますが(笑))。
なので、それだけ、彼らが一生懸命にセレクトして、予約してくれたそのお店に「いいね」をしてあげることには意味があることなのです。最高の「ありがとう」のメッセージになるのです。
2.彼のお話、笑った?
「相手の子がたくさん笑ってくれるだけで、『今日は会ってよかったな』なんて思えるくらいに男子は単純」(不動産/24才)
冒頭の例を再利用するのなら、男子が女子に振る舞う数々のお話は、まさに芸人にとって「ネタ」そのもの。そして男子は、デートのときにはエンターテイナー。服装がかっこよくても、顔がイケメンでも、お店がナイスでも、ネタがつまらなければ芸人としては二流。
「雰囲気イケメン(悪い意味で)」「しゃべらなければいいのに」「デートしてみたけど、盛り上がらなかった」という最悪の烙印を押されたような気がしてしまうのです。女の子が、自分の話に笑ってくれなくて、コース料理が運ばれてくるまでの間の時間が沈黙で、スマホを触られたりするのが悪夢なんです。
「面白くないんだからしょうがないじゃん」と思うのはもちろん自由ですが、女子を毎回毎回爆笑の渦に巻き込むことができる男子なんてそういないし、じゃあいつもデートで笑ってる子が彼のお話を芸人級に面白いと思っているかというと、これまたそうじゃない。「好きな人が自分のためにいろいろお話ししてくれることが嬉しい」という気持ちをそのまま笑顔変換してるだけなんですよね。好きな芸人の動画をYoutubeとかで見てると、全部面白いのと同じ。いい意味でひいき目を使ってあげているんです。
3.「帰りたくなさ」伝えた?
「楽しんだったら、終電逃してよとは言わないけれど、『え〜もう終わっちゃったのー』みたいな気持ちがあると嬉しいんだよね」(メーカー/26才)
「女子が11時頃になって時間をチラチラ気にしだすと男子は悲しいんだよ」と私も以前知人男性から言われたことがありますが、これは印象的で、今でも強く覚えています。本当に楽しい時間って、「いつ終わるかな?」と気にする前に、いつのまにか終わってしまっているものですもんね。
「別れ」は仕方がない。その代わり、「別れを惜しんで」ほしい。なぜならそれが、デートが楽しかった証だから。楽しかったから、あっという間に感じてしまったから。
「え、もうこんな時間!」といった些細な一言があるだけでも、あなたの「最っ高に楽しかった。もっと一緒にいたかった」という感想が伝わるし、そのおかげで、「(会い足りないなら)またデートしようよ」と彼もまた勇気を出して誘えるんですよね。
4.アンケートでも「また見たいです」って書いた?
「デートの後に相手から何の感想メールもないと不安になるよね……」(医療関係/27才)
芸人は、必ずライブのあとは楽屋でアンケートを読みます。アンケートでは、ライブの場では感じられなかった本音が得られることがあるから。例えばあまりウケなかったと感じても、「すごく面白かったです!」みたいなアンケートが多ければ、「声に出して笑うタイプのネタじゃなかったみたいだけど、いいネタだったかも」というように理解したりできる。
デート後のLINEも同じで、デート中に伝えきれなたった気持ちをばんばん伝えて行くべき。あまりニコニコできなかったのなら、「緊張しちゃってたから顔こわばってたかもしれないけど、すごく楽しかった!」と書けばいいし、ごちそうしてもらえたことに「ありがと」と言えずに頭に引っかかっているのなら、「ごちそうさま」とそこで言えばいい。彼はそれを待ってるから。彼は「今日のデート、楽しんでもらえたかな?」と思いながら電車に乗っているからね。
おわりに
正直デートで私たちができることってあんまり多くはありません。だって、行き先もプランも話題もけっこう彼がぱぱぱっと自分で決めてくれているから。ぶっちゃけ彼のあとをついて行くだけでデートは成立してしまうから。
でも、それで彼のネタは成立しても、ウケていると実感できなければ、またこのネタをやろう(またこの子とデートしよう)は思いません。そんなドMはいないのです。
次のデートからは、リアクションを3割り増しで。いちいち「いいね」していく。それが結局、ふたりのデートの満足度をあげる一番の近道だと思います。(遣水あかり)