食欲と「結婚したい願望」って似ています。たとえばほら、無性にアイスクリームが食べたくなる時ってあるでしょ?冷蔵庫の中にコンビニで買った杏仁豆腐もシュークリームもあるのに、なぜかアイスが食べたくなる夜中、みたいな。
■運命の人とは?
こういう「無性に結婚したくなる時」って、男子にもあります。女子は「無性に結婚したいと思った時にたまたまそばにいた男子と結婚した」とおおっぴらに言うことはあっても、男子が同じことを言うと問題が起こるのか、あまりはっきり言わない人のほうが圧倒的多数ですが、でも男子だって「無性に結婚したいと思った時があって、その時たまたまそばにいた女子と結婚した」という人もいるんですよね。
この話のポイントは、「たまたまそばにいた」というのをネガティブに受け止めないことです。「たまたま」って、それ、結婚相手がわたしじゃなくてもよかったってこと?と、ふつう、女子は思いますよね。でもそうじゃないんです。それこそが今、ネットで「多くの女子が理想としている恋愛観」、つまり、そう、運命の人なわけですよ。
誰と結婚するのか、いつ結婚するのか、について、これまでもあなたは散々考えてきました。これからもきっと考えると思います。その結果、「たまたま」そばにいた男子と結婚した――これを運命の人と呼ばずして、なんと呼びましょう。
■欲しいと思ったらそれをゲットするクセをつけておいたほうが楽しめますよ
もちろん、たとえば慎重に婚活会社を選んでそこに登録し、その会社が紹介してくれた男性を慎重に吟味して、というようなかんじで、慎重のうえにも慎重を期して選んだ相手と結婚する人だっていますよね。
それはそれで全然OKな話だと思うんですが、そうやってきた人の中には「婚活疲れ」を起こす人もいるらしいんです。ここで気づいていただきたいのですが、「食欲疲れ」って言葉、普通は言わないですよね。「食べ疲れ」は言うけれど、食欲疲れとは言わない。
だから食欲がわかっていればサクッと結婚できる、と言っているんです。欲って、なんかネガティブな要素がくっつている言葉みたいに思うかもしれないけれど、これをしたい!とかこれを食べたい!というパッションのことでしょ?
これが食べたい!という情熱も、結婚したい!という情熱も、ほとんど生理的欲求に近いものです。つまり頭であれこれ吟味するというより、欲求のおもむくままにガツガツ行動すべきこと、それが食欲であり「結婚欲」です。
でもまあ、あれですよね。食欲を感じる自分を嫌悪しつつダイエットに励む女子がいるように、「今すぐにでも誰かと結婚したい!」という欲求を抱いてしまった自分を嫌悪する女子もいるのかもしれないね。
欲って、さっきも書いたように、どことなくネガティブに扱われている言葉だから、「欲を持つこと=いけないこと」みたいに思う人もいるのかもしれないけど、人生、欲しいと思ったらガツガツ行動してそれをゲットするクセをつけておいたほうが楽しめますよ。
楽しんでナンボのもの、それが恋愛であり人生だから。
(ひとみしょう/文筆家)
『今夜はちょっと、恋の話をしよう』