「べからず」
1.「空気読めない」系
「乾杯のときにひとりだけ違う飲み物を頼んで乾杯を遅らせるみたいな空気を読めない女子は嫌い」的なアドバイス、聞いたことがありませんか? 「だから一杯目はビール頼もうぜ♪」みたいな。
ハっっっ!? 飲み会に自分でお金を払って参加してるのに、どうして「1秒でも早く乾杯ができるようにみんなと同じもの頼もうっと」なんて思う義務があるんでしょうか。どうして「そうしないとモテないぞ」なんて脅されらくちゃいけないんでしょうか。そこでみんなと同じビールを頼んだとして、それでモテるなんて保証がどこにあるんでしょうか。テキトーなことを言わないでほしい。
逆にそこで、自分だけマルガリータを頼んでしまったとして、たしかに乾杯が自分のせいで遅れてしまったとする。そこで、「ビール頼めばよかったんだ」じゃなくて、「ごめんなさい。私のせいで。気にせず先に始めてください!あとで頑張ってみなさんに追いつくので!」「ビール飲めないんです。ごめんなさい……」とでも一言工夫のある謝り方をすればみんな許してくれますし、そのほうが、ただビールを頼んで”没個性化”してしまう女子よりも数倍楽しくて魅力的な女子でいられるはずです。
こうやって、自分がみんなと違うことで迷惑をかけてしまったかもしれないというときには、「みんなと同じにしなきゃ」と思うのではなく、シンプルに、「自分のせいで迷惑って感じた人がいるなら、ごめんなさい」とかわいく謝ればいいのです。
2.「しつこい」系
「既読無視してるのに何回もLINEしてくるしつこい女子は嫌い」的なのもあります。「しつこいから嫌い」だと。
違うだろ? 「嫌いだから、しつこいと感じる」だけでしょ? 自分が好きな人から毎日LINE来たら死ぬほど嬉しいくせに、自分の好みじゃない女子から来たらしつこいって感じて、「こういう女子はモテない」と一般化するのって、間違ってる。
こういうように、「しつこい」と感じるかどうかは完全に受け取る側の問題。受け取る側がその相手の女子のことを好きなら、しつこいとは感じないし、受け取る側が相手の女子のことを好きじゃないなら、しつこいと感じる。というだけ。だから、LINEを送ったり、デートに誘ったり、アプローチをするこちらの側からすれば、「私が今やってることが相手にとってしつこいかどうか」なんてわからないのです。わかるわけがない。
だから本来、「しつこいなぁ」なんて受け取る側が感じてはいけないし、仮に感じたとしても、それを誰かに愚痴ったりすることこそがマナー違反だと思います。相手に「しつこくしてやろう」なんて気持ちはないのだから。相手はただ、一生懸命に気を引こうと頑張っているだけなのだから。それを「ごめん。気持ちに応えてあげられなくて」と心の中で思うならまだしも、「しつけえよ」なんて足蹴にする男子は、私は嫌いです。
結局、しつこいかどうかは相手の男子にゆだねるしかないんです。LINE1通でもしつこいかもしれないし、10通でもしつこくないかもしれなくて、それは結局わからない。だからって、しつこいと思われるリスクを恐れて1通も送らないとしたら、その恋はつまらないと思う。
3.「あざとい」系
「自分が好きな男に色目を使ってる女はあざとくて嫌い」というのも、無視していい「べからず」です。「あざとい」をされる当の本人は、自分だけ特別扱いをされて、いわば自分がモテるということを実感することができて気分がいいので、「この子あざといな」なんて文句は言わないもの。
逆にこれは、この種の文句を言ってる男子は、「あざとい」のターゲットになっていないモブキャラ男子たちだからです。自分は色目を使ってもらえないことにしょげて、仕方ないので「せんせーい、あの女子が、自分が好きな男子にだけ俺たちと違う態度で接していまーす!」と声をあげて、さも”一般論”として「そういう女子は悪い人」かのように誇張しているだけ。言ってやりましょう。「は? おめえらなんてどうでもいいんだよ」と。
私たちが好きな男子にいわゆる「あざとい」攻撃を仕掛けるとき、まぎれもなくターゲットはその彼。その彼が、あなたが他の男子に接するのとは違った態度で接せられることにドキドキしてくれればいいのです。他のモブキャラに、「俺らと接するときと態度違うぞ! ちくしょう!」と思われるのは必要悪です。どうでもいいモブキャラたちの「ねたみ・ひがみ・そねみ」に惑わされないように。
好きな人に対してえこひいき。これが悪いとしたら、もう誰かを好きになること、付き合うことなんて不可能ですよ。好きになる、付き合うということが、最大のえこひいきなんですから。