信じてる。この呪文のような言葉を、自分に言い聞かせるように何度も心の中で唱えたり、または実際に彼に言ったことはありますか?わたしは…どちらもあります。とても苦しい恋愛だったと記憶しております。はい。
●「信じてるよ」の言葉の裏に隠れた本音
「信じてるよ」って、信じてる相手には、わざわざ言わないと思うのです。あなたは信用に値する人だよ!という単純なメッセージというよりは、「期待してるから、裏切らないでね」という不安な気持ちを含んでいるように見えます。「信じたい」という願望も混ざっていますね。
また、言った本人は意識していないと思いますが、彼の行動をコントロールしようとしているところもあります。上司が部下に、「期待してるからね」とプレッシャーをかける感じに似ているかもしれません。
●不安の正体
ではなぜ、不安になって、自分の気持ちとは裏腹な「信じてる」という言葉を発してしまうのでしょう。
そのいちばんの理由は、彼に依存しているから。彼の行動にいちいち左右されてしまうということは、あなたの人生を彼に任せてしまっている節があるということです。
もう一つ、不安になる理由としては、そのままの彼を受け入れられていないことも大きいと思います。だから彼をコントロールしたくなってしまうのです。
誰もが何かに依存して生きているので、彼への依存することも、あなたが弱いとか、そういうことではないのです。依存する先が彼に集中してしまっているだけのことで、他にも自分の心の拠り所をたくさん持つようにすると、彼の行動に縛られず、彼が彼らしくいることも受け入れられるようになります。
●心から「信じてる」という状態とは
「信じてる」とか「疑ってる」とか、本当の信頼とは、この二択のように極端なものではないと思うのです。「信じてる」という気持ちは、ごく自然に存在する空気のようなもので、当たり前に疑っていない状態が続くこと。こんな状態の2人に相手のことを信じているか?と聞けば、「そんなこと考えたこともなかった」と答えると思います。
あなたが今まで、相手を信じることにこだわっていたのなら「信じてなければいけない」とも思っていたかもしれません。これからは自分の心に嘘をつくことをやめてみましょう。
●信じていれば裏切られないかは、今は分からないけれど。
いまが不安定で、とても辛くて、すぐにでも信頼関係を築いて楽になりたい、という焦りから、「信じてるよ」と言っている場合もあるでしょう。
実際、この先の未来で彼があなたを裏切るかどうかは、誰にも分かりません。
けれど、彼を疑いながら続けていく恋愛と、いま目の前にいる彼を信じて続けていく恋愛とでは、どちらが楽しいでしょうか。
先のことは分からないけれど、いまの彼を信じてる。そんな毎日が積み重なって、信頼し合える未来が築かれていくのだと思います。不安を煽る疑いのフィルターは取り払って、ただ純粋に彼を見つめていたいですね。(ヒラタイカホノ/ライター)