20代半ばになるとそろそろ周囲にも結婚する人が出始める頃ではないかと思います。
なぜ先輩たちはやたらと結婚を推奨するのか?
日本ではなぜか「社会人として結婚していないと半人前」といった暗黙の風潮に覆われています。
これは僕らの親の世代が、「大企業に就職して、結婚して、家買って、子供産んで」という「幸せのテンプレート」を埋め込まれたためにできたものだと僕が認識しています。
その結果、その子どもの世代である僕らにも同じような価値観で話しかけてきてしまうわけです。
でも僕らの時代は、かつてのゼクシイのCMで流れていたように『結婚しなくても幸せになれる時代』になっているので、ここにズレが生じているんですね。
結婚しても幸せじゃない人もたくさんいる
僕たちはそういった「上の世代」のアドバイスに惑わされることなく、客観的な事実をきちんと見極めるべきです。
株式会社パートナーエージェントが提供する「QOM」という、結婚にどれだけ幸福を感じているかを測るために作った指標があります。
同社の調査(※)によると、統計的にはQOMは結婚してからの年数を減るごとに減少していっているのがわかります。
まぁ、当たり前といえば当たり前ですが、このデータを見るだけでも「結婚=幸せではない」ということがよくわかると思います。
※データのURLはこちら:http://www.qom.jp/qom_document.pdf
結婚した方が幸せだとする根拠はどこにあるのか?
一方でこんな調査もあります。
全米経済研究所(NBER)の調査によれば、「独身のままでいるより結婚した人の方が人生の満足度が高い傾向がある」(※)ことがわかりました。
「いやどっちやねん!」とツッコミたくなりますがこの調査にはきちんと続きがあります。
調査を行った経済学者グローバーは、(普通の友人以上の)「最良の友」のような親密な関係にこそ、結婚によって幸福度が高まる理由があると分析している(※)そうです。
つまり、この調査の言いたいことは、「結婚した方が幸福度が高まるのではなく、本当の意味での『パートナー』に出会えることで幸福度が高まるよ」ということなのだと僕は思います。
結婚は、その「最良の友」を得る一つの手段でしかないっていうことですね。
※一般社団法人 平和政策研究所のHPより引用:http://ippjapan.org/archives/952
当たり前のことだけど再確認
この二つの調査からも言えることですが、結婚して幸せになりたいのであれば「コイツとだったら人生の苦楽を共にできるな」と思える人とすべきです。
裏を返せば、「コイツとだったら人生の苦楽を共にできるな」と思える人に出会えなければ無理に結婚をする必要がない、ということです。
なんとなく結婚の二文字に迫られて結婚「しなきゃ」と思った時点で、「最良の友」に出会えるとは到底思えません。
僕も妻と出会うまでは結婚なんてサラサラする気はありませんでしたが、「この子だろうな」という確信が持てたので結婚したのであって、『結婚』がしたくてしたわけではありませんでした。
結婚して幸せになる人と不幸になる人は何が違うのか?
それは、人生の苦楽を共にできる最良の友と呼べるパートナーと出会えたかどうか、の違いなのです。(川口美樹/ライター)