好きな異性、気になる異性はいるでしょうか。
■その人が「決めてくれる」
かつて職場の先輩で、仕事の面でも、プライベートでも、「こうなりたい」と心から思える女性がいました。
その人のモットーは「自分が素敵な女性じゃなくても、少しでも素敵であろうとすること」でした。私はその人に憧れて、「この人みたいになりたいな」と本気で思っていたので、生活で、とくに恋愛の場面で迷ったときには、「あの人ならどうするかな?」という軸で考えるようにしていました。
例えばデートで彼に些細な場面でイラっとして、つい怒ってしまいそうなとき、このまま怒りを表に出すのは楽ちんだけど、「『細かいことでいちいち腹を立てたりする彼女でいたくないよな』って、あの人なら思うはず」って心の中で思って、大人な彼女でいようとした。
彼の浮気が心配で、つい束縛みたいなことをしてしまいそうになったりしても、「『彼氏のことを信じてあげることができなくて、“何が素敵な女性なんだ”って感じだよね』ってあの人なら思うはず」と、ぐっとこらえて彼を信じることを選んだ。
自分の頭の中に「憧れのあの人」のイメージを置いておき、「あの人ならどうする?」と問いかけることで、「きっとこうするはず」と決めてくれる。
結局それでうまくいくかどうかは別問題ですが、少なくとも自分はそうすることで、少しずつ「私の憧れの人」、つまりは「自分がなりたい女性像」に近づくことができていたと思います。
■憧れれば、きっとなれる
「憧れの人」に「決めてもらう」ことをしていたとしても、別にそれによって私たちがその人のコピーになるわけじゃありません。当たり前ですよね。
別に迷ったときに憧れの人に電話をして、「すみません、今かくかくしかじかでこういう状況なんですけど、どう決断すればいいっすかね?」と聞いているのとはわけが違います。
頭の中にいるその人に聞いているだけ。憧れの人自身に聞くんじゃなくて、「憧れの人になろうとしてるもう一人の自分」に聞いているだけです。
そして、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という有名な言葉がありますが、あなたがその人に憧れたということは、あなたは必ずそうなれる。近づけない人には、うっとりはしても、本気では憧れられない。
今好きな異性との恋愛を一生懸命に頑張るのも恋です。そりゃそうです。
だけどたまには、女性に憧れて、その人になろうとして、行動とか考え方とかをお手本にして生きてみることも大切だと思います。
私のかつての憧れのあの人とは、もう職場が変わってしまって今では関わりがありませんが、その人と同じくらいの年齢・立場になった今、彼女のおかげで少なくとも当時よりは、素敵な女性として、素敵な恋ができているような気が、自分ではなんとなくしています。(遣水あかり/ライター)