自分から好きになった相手とじゃないと付き合いたくない女子って、わりと多いですよね。その陰で泣いている男子がどれだけ多いことか!ですよ。
■歳をとることのメリット
追いかける恋に夢中になっている女子って、もう理想の彼氏像が100%ガチガチに頭の中にあるんだと思うんですよね。イケメンで高身長で、ちょっとだけワイルドなところもあって、優しくて、デート代に不自由しないくらいのお金を持っていて、ベッドの上でもスマートに振る舞ってくれてとか。で、そういう理想から外れる男子と付き合うことを「妥協して付き合う」と言っちゃったりして。
誰だって理想の彼氏像・彼女像を持っていて、それはオトナになってもずっと持っているんですが、オトナになるとわりとしつこく理想だけを追い求めることって減ってきます。なぜなら、自分に似合うものと似合わないものが自分でわかってくるから。
「わたし、ワイルド系のかっこいい彼氏がいい」と思っていても、オトナになると「そういう彼氏は理想だけど、やっぱりわたしには似合わないな。わたしに似合うのはIT企業に勤めている、ちょっと繊細な感じの男子だな。そういう彼の白くて細い指もかっこいいな」とかとわかってくるんですよね。これが歳をとることのメリットです。
■追いかける恋が苦しい理由
あなたのことを追いかけている男子に、あなたがまったく興味がないとしても、ちょっとだけその彼と話をしてみたら?そういう彼って、あなたが知らないあなたの魅力を知っていたりするから。
ハッキリ言ってしまえば、好きになってくれた人に興味を示さないで、いつも自分が追いかける恋ばかりしている人は、自分はこういう女子なんだ、とか、自分はこういう恋がしたいとか、自分で自分の世界をガチガチに狭く固めてしまっているんですよね。だから苦しい恋になる。狭い世界観のなかで右往左往しても、そこには広がりというものがないからね。
そういう、ちょっぴり息が詰まるような恋になっている人は、「追いかける恋、もう疲れた」と思ったとき、「こんな恋愛もすてきかも」とか「こんな男子と付き合ったら楽しいかも」と思えて、楽にすっと彼氏ができて、幸せになれますよ。
これ、妥協して付き合うんじゃないんですよね。苦しかった追いかける恋が、あなたの心の幅を広げてくれたということなんですね。
■女子の話を聞いていて思うこと
女子の話を聞いていていつも思うんですが、「彼のことは最初全然タイプじゃなかったのに、付き合ってみたらよかった」という人がすごく多いんですよね。
そして、これは男として思うことなんですが、「付き合ってみたらよかったと言うのなら、最初からその彼と付き合ってあげればよかったじゃないか」です。これを言うと恨み節のコラムになりそうなのでこれ以上書きませんが。
なにはともあれ、「わたしにはこんな良いところがあるんだ」と感じさせてくれる恋も、人生においてとっても貴重です。
でもまあ、疲れ果てるほど誰かのことをガチで追いかける恋というのも、同じように貴重といえば貴重です。若さをすぎればもう、そういう恋をしたくてもできなくなるから。
オトナになると「わたしには無理だろう」と、追いかける前に勘でわかっちゃうんですよね。で、いろんなチャンスをミスミス逃してしまうんですよね。
これ、歳をとることのデメリットっちゃあデメリットです。(ひとみしょう/文筆家)