男は女の気持ちが理解できない、女は男の気持ちが理解できない、そんな異性間のみぞを埋めるべく、両者の違いを比較しながらお互いの理解を深めるための連載第三弾。
正義の味方はいつだって「事後対応」で本領を発揮する
問題が起こる前に問題を解決してしまう正義の味方がいないように、男性は基本的に「問題が起こってから」ようやくことの重大性に気づきます。
これはvol.1でも紹介した「問題解決思考」と関係があるのですが、彼女が明確に怒っているとか、自分がまずい事をしたと強烈に認識したとか、「どう考えてもまずいことが起こった」時に、ようやく動き始めるのです。
そのわりに、「自分にはこの子を守る力がある」という認識を普段から持っていたいという思いがあります。
それゆえに問題が噴出した際に彼女から「最低!」とか「どうしていつもこうなの!」という叱責を受けると、「自分にはこの子を守る力ある」というプライドがズタボロにされてしまいます。
そのプライドを守るために「客観性」のプログラムが立ち上がり、問題を一般化しようとして自分ごとにしないで、別の何かに責任を転嫁したくなってしまうのです。これが男性の彼女の指摘を素直に受け入れられない理由です。
お姫様はいつだって「事前準備」を大切にしている
一方、女性は問題が起こってからでは遅い、と考えています。攫われたら命が危ぶまれますから、「いかに問題が起こらないか」が大事なのです。
お姫様にとっては「自分の身の安全が担保されていること」が何よりも重要です。それは経済力という物理的な安全面もそうですが、どちらかというと「愛されている」という精神的な安全面の方を重要視している傾向にあります。
だからこそ、毎日のコミュニケーションで愛情を確かめようとする「プロセス共有思考」が働きますし、「主観性」を持つことで危機管理を常に行なっているのです。
ただ、これは男性に依存しているという意味ではありません。この「愛されている」という実感がひとたび担保されると、実際に問題が起きた時に、たとえ火の中・水の中、どんな困難にも立ち向かっているけるパワーを発揮します。
その時のミッション遂行能力や粘り強さは男性の比ではありません。自分の命を投げ打ってでも、自分の大切な人を守ろうとします。(この時の女性の本気には本当に頭が下がります)
お姫様には安心を、正義の味方には鼓舞を
男性の皆さん、女性にはとにかく「愛している」「好きだ」という感情を、言葉だけでなく行動でも表現していく必要があります。
恥ずかしがらずに面倒くさがらずに、これでもかという愛情を注いであげてください。その結果、「戦場」で戦って傷ついたあなたを全力で守ってくれるはずです。
女性の皆さん、男性にとっては「力こそ全て」です。女性がくだらないと思うようなプライドであっても、本人にとっては自分の存在意義に匹敵するほどの重みがあります。
それを傷つけず非難せず、「信じている」「応援している」「大丈夫だよ」と励ましてあげてください。男性にとってこれほど勇気付けられることはありません。
一番きつい時に支えてくれた女性のことを男性は裏切ることができません。あなたの欲しい安心安全はパートナーを信頼することによって得られるのです。(川口美樹/ライター)