誰もが知っているとおり、恋愛って自分らしくやればそれでいいものですが、じゃあ自分らしさってなんなのかと聞かれたら、ちょっと答えに困ってしまう人も、きっと多いのでは?
■「モテるためにはこうすべき」というコラムが増えた背景?
ネット上に恋愛コラムが誕生した頃は「**の特徴4選」みたいな、いわゆる「4選ネタ」がメジャーでした。「彼氏にドン引きされるデートの服装4選」とか。
いわゆる「あるあるネタ」とか、専門家の意見とか、そういうのを書くべきだ、みたいな考えがサイトの作り手にあって、それはなぜかと言えば……と書くと、専門的な内容になってしまうので書きませんが、昔はこんな感じでした。
だからどうしても「モテるためにはこうすべき」とか「これはやってはいけない」みたいなことを書いてあるコラムが大量発生することになり、そういうのをたくさんお読みになった方もいると思います。
かく言うぼくも、原稿料ほしさに、そういうコラムをたくさん書いてきました。がしかし、時の流れとともに、推奨されるコラムの書き方も変わり、自分の気持ちにより正直に書ける環境が整いつつあり、これは読者にとっても書き手にとってもいいことです。
■肩の力を抜いてぼちぼちやっていこう
正直にものを言える環境になりつつあるので、その流れに乗ってホンネを言えば、ここだけの話、恋愛って「これがダメ」って、ホントはないよね、つまり自分らしく恋愛することが一番ステキなことだよねということ!
自分らしさって、なにかをやること、つまり今の自分になにかをプラスすることでは、なかなか手に入りづらいものだろうと思います。
たとえば、片思いの彼の気を引くために、彼の目を上目遣いで見つめるという、古典的なモテテクがありますが、これをやったらあざといと思われると危惧している女子も多いのか、ここぞという時でもあまり上目遣いのテクを使わない人のほうが多いのでは?
上目遣いで彼の目を見るより、「彼の目を見たくても、どうしても見ることができない」ほうが、「その人らしい」。あるいは、片思いの彼と二人きりになったとき、なにか話題を彼に振ってノリよく喋ったほうが告白するベースができていいと分かっていても、どうしてもなにも喋れない――これも「その人らしい」こと。
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そんな「どうしてもできないこと」とか「やれないこと」に、男子も女子も、その人らしさを見ているように思います。
だから、こうしないと彼氏ができないとか、モテたければこうすべきとか、ここを直しましょうとか、そういうのってホントはなくって、どうしてもできないことはできないままでいいから、もっと肩の力を抜いてぼちぼちやっていきましょう。
ちなみに、「こうしないと彼氏ができない」と言われているような言動をしている人って、ホントのところ「そんなに彼氏がほしくない」こともあったりしますよね?
頑張ってもどうしてもできないことが、あなたらしさなのだから、あなたはそのままでいい。今の延長線にきっと、幸せが待っています。(ひとみしょう/文筆家)
【今夜はちょっと、恋の話をしよう】