言いたいことを、すべて遠慮なく言っていると、やっぱりケンカの原因になります。
●オトナの恋に「自制」が必要な理由
自制とは、自分で自分の欲望や、感情をおさえること。大人になると、したいこと・言いたいことはあっても、誰かに迷惑をかけたり、悪い結果が起きたりしないよう、先を見越して行動することが増えます。
たとえば出会ったばかりの男性に「彼が好きで、一緒にいたい」と、その瞬間の気持ちだけで一晩を共にしてしまうと、翌週には連絡が取れないかもしれませんし、彼とケンカして、腹がたって暴言をはけば「そんな女だと思ってなかった」と振られてしまうかもしれません。
誰に恋をしようと、どんな恋愛をしようと自由ですが、その結果は、自分自身が引き受けるもの。いずれ自身に回ってくるため、恋愛において、自制は欠かせないことなのです。
●「自制」と「我慢」のボーダーラインは?
しかし、自制によく似た我慢は、恋愛の障害になってしまうことも…。自分の気持ちを押さえつけ、言いたいことが言えず、相手に合わせることに必死になってしまうと、幸せを掴むことが難しくなってしまいます。では、「必要な自制」と、「してはいけない我慢」の違い。ボーダーラインはどこにあるのでしょう?
それは自身がその行動を、「辛いと感じているか、否か」です。
自制できているときは、自分の感情や周りの状況、相手の気持ちをよく理解して、自然に、そして心から「こうしたほうが良い結果になる」と考え、言動をコントロールしている状態。
一方の「我慢」は、「本当はこうしたいのに」と、自分の言動をしぶしぶ抑制している状態。自制と同じように振る舞っても、我慢の場合には、心に大きなストレスがかかっているのです。
●彼への気持ちを、改めて考え直してみよう
まずは、彼に対する感情を、改めて考え直してみましょう。自分が「なぜそう思うのか?」「本当はどうしたいのか」と向き合ってみてください。
最近自分が言ったことと、その結果について思い出してみましょう。良い結果になったことも、悪い結果になったことも、どちらにも動機や期待、そして起こった「結果」とその「理由」があるはず。
改めて考えてみると、我慢する必要がないこと、自制すべきだったこと、気付かないうちに我慢していたことなど、見えてくるはずです。
●伝え方を工夫してみる
次に、相手への伝え方を工夫してみること。我慢して「何も言わない」のではなく、いい結果につながるよう自制して、上手に伝えるのです。ムっ!となっても、怒りの感情をそのままぶつけないこと。冷静に、客観的になって、「自分が本当はなにを伝えたいのか」を考えてみましょう。
すれ違いでケンカになりそうなとき、どうして自分がそう思うのかも一緒に伝えられれば、相手も理解しやすくなります。言いたいことは言っても、伝え方は工夫すれば、「伝えたいのに伝えられない」我慢を、「こういうやり方ならきっとうまくいく」と思える、自制に変えられるかもしれません。
●心の歩み寄りを諦めない
彼との関係で、「どうせ○○だからいいや…」と、諦めていることはありませんか?それが理由で、自分の言いたいことや、してほしいことをグッと抑え込んでいると、してはいけない、我慢になっていることも。
こういった気持ちを抱えているなら、自分の感情をぶつけるよりも、相手の話をよく聞くことが大切です。相手の気持ちを汲み取り、理解することに努めてみましょう。
こうすれば、自分の気持ちを伝えるときの言い方を検討できますし、本当は実現できる方法があるかも知れません。もし、やっぱりそれが難しいとしても、我慢して諦めるのではなく、「そうした方がうまくいく」と、納得できる自制と、形を変えるかも知れません。
●おわりに
「我慢」と「自制」の違いは、「自分がどう感じているか?」が、ヒントになります。辛い気持ちのまま、自分の言動を押さえつけているなら、目線や考え方、伝え方を変えるとき。みなさんもぜひ、ひとりの時間に自身を分析してみませんか?(織留有沙/ライター)