男子は彼女の手料理が大好き。だからみんなも頑張ってたくさん作ってあげようね!
■「うまいもの」は期待してない
こんな記事を書くのも、私自身が料理が苦手であったりするからなのですが、以前お付き合いしていた人から言われた印象的な言葉にこんなものがあります。
「本当においしいの食いたかったら、レストラン行くから」
正直、あんまり意味がわからなくて、というかむしろ若干ショックだったのですが、どうやら彼としては、まさに「絶品」みたいなものが食べたいって思うんだったら、「なんか作ってよ」なんてド素人で、レトルトカレーをポットで作ろうとしちゃうくらいズボラな私に頼むわけないだろってことで、そんなの期待するくらいなら、初めからレストラン予約してるでしょっていうことらしいです。
あんまり期待されていないことにはちょっとガッカリですが(期待されないのも当たり前なんですが)、それはそれで納得できるというか「あ、そっか」と少し気持ちが軽くなったんですよね。
もちろん、彼においしい手料理を作ってあげたいという一心で料理教室に通ったりすることもすごく、とてもとてもいいことだと思いますし、それは間違いないと思うんですけど、だからってそれが必要条件ということにはならないはずなんです。
あくまで彼が期待してるのは「デートの一環」としての手料理。誰も、デートでプロの技が出てくるなんて期待していません。デートなんて、あくまで遊び。そのくらいの気持ちで軽くやっていけたらいいですよね。
■「私の物語」をプレゼントしてあげる
あとは、これも同じ人から言われてすごく納得したのですが、男子は、彼女の手料理から、「俺に対する愛情」をもらえることをすごく楽しみにしてるんだという考え方。
私たちが大好きな人に何かを振舞ってあげたいと思うとき。
「あの人外食ばっかりだし、しかも肉しか食べないからなぁ」と思って、野菜嫌いなあの人が少しでもおいしく野菜を食べることができるように、いろんなレシピとにらめっこして、どれにしようかなぁ、どれなら私でも作れるかなぁと考える時間。
彼のためにスーパーに行って、彼のために野菜を選びながら、ちょっとだけ、「いつか同棲したり結婚したりしたらこんな感じに毎日買い物するのかなぁ」なんて考えたりしてしまう自分。
キッチンに立って、テレビを観ながら待ってる彼に「お願いだからあんまり期待しないで……」と思いながら慣れない包丁片手にレシピを懸命になぞる瞬間。
この、まさに全部が「彼」のために費やされた私たち時間と、その間に私たちが巡らした彼に関する思考、そして、それらの源になった彼に対する愛情。
料理を作ろうって決めてから、それが完成するまでに彼のために過ごした「私たちの物語」を料理という形でプレゼントしてあげるのが、まさに私たちが彼から期待されているものなんであって、「料理の味」というクオリティーそのもの”だけ”を求められているレストランとは、そこが全く真逆です。
だから、「おいしいと思ってくれるかなぁ」なんて不安に思いながら食べる必要はありませんよね。自分なりに一生懸命に作ったという時点で、彼としては十分に満足なんですから。あとはひたすら、「味はまあまあだけど、とにかくよく頑張ったぞ」と心の中で自分を褒めてあげながら、楽しく彼と会話しながら召し上がるだけです。(遣水あかり/ライター)