デートのとき、おいしそうな料理や素敵な景色が出てきた瞬間に「ちょっと待ってね」とSNSへのシェアタイムを設ける女子。
シェアは、デートの目的と逆行する
SNSでいろいろシェアするのが流行ってる理由。
究極的なところとしてはきっと個人差があるんでしょうけど、多くの人が「承認欲求を満たすため」ということを言ってます。
難しいことは抜きにしてかなりはしょって言うなら、現代では、食欲とか安全欲求とかそういう基本的な欲求で困ることがなくなった代わりに、みんなに「すごい!」と思われたい欲求がみんなにあって、しかも、これがInstagramとかTwitterで満たしやすくなってるということ。
おいしそうな食べ物や素敵な風景の写真をアップしたり、日常で思いついたちょっと「本質的」なことをつぶやいたりすると、みんな(割と簡単に)いいね、うらやましい、センスあるねって褒めてくれるます。
ただ、別にこの記事は、「最近の若者は自己承認欲求を肥大化させてる」みたいなどこかのおじさんチックなことが言いたいわけじゃありません。
自己承認欲求がいくら強かろうと、他人の知ったこっちゃないです。
ただ、唯一言うとすれば、デートのときにはちょっとどうだろうって考えてみてほしいんです。
SNSでのシェアは、上で見たように、少なくとも部分的には「みんな」からいいねをもらいたい。そういう気持ちから出るものです。
だとすると、本当はデートって、目の前にいる好きな人に好印象を与えることだけが目的なはずなのに、シェアは、むしろその人以外の不特定多数の他人に対して好印象を与えようとするものということで、なかなかいびつなギャップが出来てしまいますよね。
ダメとかじゃないよ
はっきり言って、デートのときにレストランでSNS用の写真を撮ったり、他の人のSNSでのつぶやきに一生懸命反応していたり、そういうことに対してハッキリと文句を言ってくる男子は少なくないし、仮に言ってもなくても、ほとんどの男子が多少の不満を感じているものと思います。
それは先に書いたように、デートすることと、SNSでシェアすることとの間にある根本的な違いのせいで、一言で言うなら(そして私自身が言われたことのある元カレのセリフを借りるなら)「俺といるのに、それどうしてもやりたいの?」という気持ちになってしまうからですね。
かと言って、やっぱり私は、デートのときにSNSしちゃだめ!なんてことは言いません。もちろんそんな法律もないし、また、「それが常識だ」なんていうのも強引すぎると思います。さらには、ひょっとしたら、「別にSNSいくらでもやっていいよー」と、本当に心から全く気にしない男子だっているにはいるんでしょうからね。
ただ、ダメとかじゃなくて、単純に、自分の気持ちの問題なんですよね。
好きな人の目の前で、自分のかわいいところを好きなだけアピールできる(そしてすべき)唯一のチャンスであるデートの中で、わざわざ、「彼以外」の人に対してSNSでアピールすることが、自分の気持ちとして違和感がないかどうか、そんなことをしているだけの余裕が本当にあるのかどうか、ただただそこだけなんだと思います。(遣水あかり/ライター)
(高﨑哉海/モデル)
(島崎雄史/カメラマン)
(真己野ナナ/ヘアメイク)
(辻野祐馬/ディレクション)