「2回目のデートでは最低でもキスまでいけ!」
■男心はころころと
たいていの男子は、結構好きな人がころころと変わります。面白いくらいに。
諦めが早いのか、それとも節操がないのかはよくわかりません。
私たちがある男子を「この人、心地いいな。少しデートしてみようかな」とゆるゆると恋を進めようとしている間にも、実はその男子は「なんかこの子、俺のことあんまり好きになってくれなさそうだな」とか感じてしまったりしていることもよくあります。
何回かデートのお誘いが来て、悪くないから会ってたけど、最近お誘い来ないな、みたいな。
また、「複数の女子に同時にタネをまいてる」というのも、すごく多くの男子にありがちな特徴です。これもやはり振られるのが怖いのか、もともと何の見境もないのかわかりません。
ただ、あなたが彼と吉祥寺でデートをした土曜日の翌日に、今度は別の女子と新宿でデートをしているということだって、かなりの確率で起こりうること。
■あなたなりに「行けるところまで」
もちろんこれに当てはまらない男子もいますし、仮に当てはまったとしても、だからってその男子が一途じゃないってことにはなりませんから、別にこれは批判する必要もないと思うのですが(付き合った後に一途でいてくれればいいし、私たちだって複数の男子を比べることはありますしね)、この男子の移り気というか切り替えの早さに対応するための策として「2回目のデートでは最低でもキスまでいけ!」というのが編み出されたのかもしれません。
この種のアドバイスをしている人が、決まって多くの男性経験を経た大人の女性や、逆に(当然)「男心」というものをよくわかっている男性のコラムニストだったりするのも頷けます。
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ですが、こういったアドバイスを吸収するとき、そのまま鵜呑みにしてはいけません。
たいていよく聞くアドバイスや名言というのは、人が「え、そうなの!?」と驚いて耳を傾けやすくするようにあえて誇張をしていたり、あくまで「そういうこともたまにはある」くらいのことでも、奇をてらうために「絶対に男子はみんなこうだ!」と過度に一般化しようとしていることがあるからです。
「2回目のデートでは最低でもキスまでいけ!」のアドバイスから、上で書いたような男子の特徴や性格を思い浮かべて「恋愛には、スピード感とか勢いとかも、大事なんだな」と知ること自体はとてもいいことだと思います。先人の知識を学んで自分の恋に生かすことは、なるべく痛い思いをせずにいい恋に近く秘訣でしょう。
だけど、人の恋愛は人の恋愛で、あなたの恋愛はあなたの恋愛ですから、人の助言をそのまんま自分の恋に取り入れるなんてことはする必要はありません。誰かの言いなりになって恋なんてしてはいけません。
2回目のデートでキスなんかできなくても「やばい、全然進展してない」なんて思わなくてもいいですし、それよりも、「前回は、緊張しすぎてほとんど喋れなかったけど、今回は慣れてきて、普通に自然に話せたぞ」とか「初めてで何したらいいかわかんなくてスマホに逃げちゃってたけど、今回はスマホに頼らず、いけた!」とか、そういうあなたなりの前進の方が、ずっと価値のあることですよね。
好きな男子が2回目のデートでどこまで望んでいるかはわかりませんし、その彼に恋のライバルがいて、そのライバルはひょっとしたらマジで「キス」までいっているのかもしれませんが、「今日は最低でもキスしたかったのに、ダメだったわ。この子はもうないな」とか「前に会ったことはヤれたから、こっちと付き合うか」とかじゃなくて、あなたなりの精一杯の頑張りをちゃんと見ていてくれて「今日のデートは、ちょっとだけど、初回よりも楽しそうにしてくれたな」と思ってくれるような男子こそが、付き合って幸せになれる相手だと思いますよ。(遣水あかり/ライター)
(後藤真由子/モデル)
(gaku/カメラマン)