ときどき「恋愛のこともいいけど、自己啓発的なことも知りたいです」と言う女子に会います。このような人は、恋愛をすることそのものよりも、恋愛をする自分というひとりの人間を、どのように磨くといいのか、あるいはどのように自分というものを作っていけばいいのか、ということに興味関心があるのだろうと思います。
■知っているか知らないか
人間性を磨くのって、じつはそうむずかしいことではなく、「知っているか知らないか」ということだけだったりもします。
たとえばすぐに彼氏に対してイラっとしてしまって、それゆえ交際が長続きしない人は、イライラを抑える方法を知らないからそうなるのです。
イライラしない人というのは、なにも人間ができている立派な人、ということだけではなく、イライラを抑える方法を知っている人です。
たとえば意識的に呼吸をゆっくりするとか、1日8時間寝るとか、こういう誰でもできる方法があるそうです。
あるいは、イケメンの前に出るとつい恥ずかしくなって無口になってしまうゆえに彼氏がなかなかできない人は、挨拶の本質を知らない人かもしれません。挨拶って「挨く(ひらく)」「拶る(せまる)」と読むそうです。
心を開いて相手に迫る。これが挨拶というコトの本質なんだそうです。なので、恥ずかしかったら小さな声でもいいので、「ちゃんと」挨拶しさえすれば、イケメンとだって、自然と仲よくなれるわけです。
■軽い自己嫌悪にも「方法」があります
あるいは恋愛はそれなりにうまくいっているけど、クレジットカードで買い物をしすぎて、いつも軽い自己嫌悪に陥っている人は、クレジットカード会社の思惑を知らない人だと言えます。
世の中には「いかにお金を使わせるか」を、かなり真剣に考えている人たちがいます。そういう人たちに無駄に財布を開かないようにしようと思えば、消費のカラクリくらいは知っておいたほうがいいものです。自制心が効くからとか、我慢ができるからとか、それだけの理由で、品よく買い物ができるわけではないのです。カラクリを知るだけで、おのずと自制心が芽生えてくることもあるのです。
■まずは願うだけでいいのではないかと思います
女子力を磨くとか、人間性を磨くというのは、つまり知っていることを増やすということです。単に知っている方法(ハウツー)を増やすというのでもいいかもしれませんが、できるだけコトの本質を書いてくれている人たちが言っていることを聞くことです。
せっかく恋愛というコトの本質を突いている考え方をしているのだから、知らないままでは非常にもったいないと思うのです。
もっとも、コトの本質や、そこから導き出されるハウツーを書いてくれてあるものって、わりと少ないので、それを探し当てるのに時間と労力がかかるのかもしれませんね。でも知りたいと願えば、自然と知りたい情報が集まってきます。
だからまずは、ごくシンプルに「知らないことを知りたい」と願うだけでいいのではないかと思います。(ひとみしょう/文筆家)
【今夜はちょっと、恋の話をしよう】