「彼が子どもが嫌いだと明言している。将来子どもを産むことなども考えると、このままお付き合いを続けていけるか自信がない」
なぜ子ども嫌いになるのか?
相談者さんの彼氏さんの、子どもが嫌いな理由をもう一度見てみましょう。子どもって、いい意味でも悪い意味でも常識がないので、思ったことをすぐに表現しようとしますよね。
心理学の中に「シャドウ」という考え方があります。人は「自分の中で押し殺している部分を前面に出せる人を嫌いになる傾向がある」とする考え方です。
シャドウとは自分の影の部分、つまり「本当は自分もそうしたかったけど、何かしらの理由でそれで痛みを感じた経験があり、今はそうすることを我慢している部分」のことです。
例えば、自分が子どもの頃にわがままを言った時に、親からものすごく叱られた経験があるとします。そういう人が、他の人がわがままを言っているのを見ると、その時の「痛み」を思い出させるので嫌悪感を抱くということです。
彼氏さんの気持ちに立つと、「俺は、(社会的な立場、自分のプライドなどから)本当の自分を出すことを我慢して苦しい思いをしているのに、あいつらは無責任に好き勝手放題やりやがって許せん」という心情になっている、ということですね。
彼氏さんは相当ストレスフルな状況にいませんか?
子ども嫌いな人の特徴として、かなりの我慢を強いられるストレスフルな環境にいると考えられます。
毎日何かしらの自分への圧力を感じており、日々我慢の連続で鬱憤をためている可能性があります。それが、わがままの象徴である子どもや動物を見て怒ることで、そのストレスをなんとか解消しようとしているのです。
またストレスフルな環境にいる人は、「自分の思い通りにならないこと」がとても嫌いです。なぜなら自分を殺して「誰かの思い通りになるように生きてしまっているから」です。
本来であれば本人が一番「イヤだ!俺は自由に生きるぞ!」って言いたいんです。でも、自分にはそれができない。だから言うことを聞かずに無邪気に駆けずり回る子どもたちにカチンときてしまうわけです。
そんな彼氏にあなたができることとは?
では、恋人であるあなたはこういう彼氏に対して何をしてあげられるでしょうか?まずは、できるだけストレスを溜めないようなコミュニケーションを心がけることです。
愚痴をたくさん聞いてあげて、一番の理解者になってあげることです。そうやって少しずつづつ彼のストレスを軽減してあげてください。
そうやって本人の日々のストレスが軽減されてくると、そこまで子どもに嫌悪感を抱かなくなります。
ただ、ノンストレスの状態でも子どもが嫌いな人はいます。それはその人の「価値観」だと考えられます。おそらくこの先もずっと子どもが嫌いでしょうから、自分の子どもを産みたいと考えているのであれば、お付き合いを考え直した方がいいかもしれません。
また、自分の子どもを産んでみて子どもが好きになる人もいます。犬を飼うのは絶対反対なパパでも、実際に飼ってみると一番可愛がっているみたいなケースですね、
何よりもまずは、相手の日々のストレス状態がどのくらいかで判断しましょう。子ども嫌いというだけで、あなたとの将来がうまくいかないかもと考えるのは早計です。
子ども嫌いなんて信じられない!と一刀両断するのではなく、なぜ嫌いなのか理解してあげて欲しいのです。それが私があなたに伝えておきたいことです。(川口美樹/ライター)