■じぶんでじぶんのことをかまってあげる
いわゆるお嬢育ちの女子っていますよね。幼い頃から両親やまわりの人に大切にされてきた女子。そういう女子は、じぶんのことを大切に扱ってくれる男子を、ほぼ直感で選べる、と聞いたことがあります。
その直感が外れて、彼が彼女のことを粗末に扱うようになると、彼女はどうするのか?彼のことを文字通り罵倒する女子もいるそうです。
品のいい清楚な顔立ちの女子が、スマホ越しに「お前さ(彼氏のこと)、わたしが8時に帰宅するって言ってるのに、わたしのためにご飯も作れないってわけ?」と言っていた……事実です。
長年、他者に大切に扱われてきた人は、他者に対し堂々と(?)、「わたしのことを大切に扱えよ」と、強制できる、でっかい心臓を持っているのでしょう。
少々極端な例ですが、幼い頃から人に大切にされてきた人は、おそらく生涯、人から大切にされる環境に生き続けるのでしょう。
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幼い頃から他者に大切にされてこなかった人は、どうしても甘えるのが下手だったり、「わたしがしっかりしなきゃ」と考えて、妙に強がって弱いところを隠しがちですよね。
そういうの、全部解放してあげるといいです。そういうところを解放して、弱いところを表に出してあげる。
表に出す、というのは、匿名で出してもOKです。いわゆる「裏垢」を使って、じぶんを解放してあげてもいいでしょう。ポイントは、じぶんを大切にする、というところにあるのだから。
弱いじぶんとか、ふだん人前で隠しているじぶんのめんどうを、ちゃんと見てあげる、ということです。ふだん抑圧しているじぶんを、じぶんでかまってあげる、ということです。これが、じぶんでじぶんを大切に扱う、ということ。
■不快なことをなくしていくこと
もっと一般化して言うなら、じぶんが不快に思うことをやらない、ということ。あるいは、じぶんが不快に感じる環境から、じぶんを出してあげる、ということです。
じぶんでじぶんのことを大切に扱っている人は、こういうことができています。幼いころからできている人もいるし、20歳をすぎて、じぶんでそういう環境をひとつずつ大切に積み重ねていった人もいます。
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じぶんでじぶんのことを大切に扱っていると、ヘンな人が寄ってこなくなります。反対にいつも他人に対して妙な遠慮や我慢をしている人には、妙な人が寄ってきます。
たとえばゴミが落ちている汚い通りにゴミを捨てるのは簡単なことです。でもゴミひとつ落ちていないピカピカの通りにゴミを捨てるには、勇気が必要。
ゴミひとつ落ちていない、つまりいつも手入れされているじぶんになることで、おかしな男が近づけなくなるのです。(ひとみしょう/文筆家)