■「それなりに正しい」デートのあとさき
彼に言えないことって、たとえば「彼に内緒で浮気している」とか、そういうかる~いことではありません。彼に内緒で浮気している人は、その後処理をどうするのか自分で決めて、どうにかしてください。浮気は自己責任です。
……そういうライトでPOPな話ではなく……。
たとえば若いとどうしても「それなりに正しい」デートを好む人もいると思います。モテ服はこんな感じで、モテ髪はこんなかんじでってことをネットなどで調べて、デートのときにする会話もネットで調べて……というかんじで、「それなりに正しそうなこと」をやる人もいると思います。
それはそれでかまわないのですが、ホントにふたりの仲を深くしてくれるのって、あなたが抱えている「彼にちょっと言えないこと」だったりするのです。
***
たとえば中学生のときいじめられていたこととか……
たとえば自分は変わっている子だと幼稚園の頃から思っていたこととか……。
そういうことをすっと、だれかれかまわず口にできる人は、もうこの項をお読みになる必要がないくらい「人間ができている人」です。
ふつうは自分の暗い過去というか、人生のダークサイドを見せないですよね。
でも、そこを見せ合うことに、おおいなる意味があるように思います。
■人って、みんな少しずつヘンでしょ?
先に挙げた例で言うなら、幼稚園の頃から、「わたしってちょっと変わってる子かな、なんか周りの子と比べて私は浮いてるな」という違和感を抱き続けてきた子って、自意識が強すぎてちょっとヘン……こういう評価だってできますよね。
ほかにも、毎晩明け方までBL系のゲームにハマっている自分はヘンかなと思っている女子がいたり……好きな男子に「きらい」と言い放ってしまうおかしな女子がいたり、みんな少しずつヘンなんです。
そして、「ちょっとヘン」で、ふつうです。
相手のちょっとヘンなところを発見して、「この子もわたしと同じでちょっとヘンな子だな」と思ったとたん、その相手にすごく親近感を覚えたことのある人もいるでしょう。それは自分もちょっとヘンなら、相手もちょっとヘンで、「ヘン」が当たり前だからです。
***
彼氏に言えない「ちょっとヘンなわたし」を彼に見せると、きっとすごく仲良くなれます。反対に、彼の前でかっこつけてばかりだと、彼もあなたに心を開けないから、やがてその恋は終わりを迎えます。
さらに言うなら、恋愛って、お互いに「ちょっとヘン」なところを見せ合って、そこを認め合うからこそ、意味のある行為なのです。
それはエッチに関しても同じです。エッチを、劣情たっぷりのエロの要素抜きに、素晴らしいものとして語ることができるのは、お互いに丸裸になってヘンなところを見せ合うことが、かけがえのない素晴らしいことだからです。ハダカがヘンなのではなくて、お互いのちょっと変わった性癖とか、そういう「ちょっと人に言えないこと」をやりあえるから素晴らしい行為なのです。
だからときに、エッチなシーンが、すごくマジメな映画に登場してくるのです。(ひとみしょう/ライター)
(伊東亜梨沙/モデル)
(柳内良仁/カメラマン)