タイトルに「新語」と書きましたが、ダイバーシティはdiversityという昔から存在する英語で、多様性を意味します。
■みんなちがって、みんないい
多様性を認めるというのは、簡単に言えば「みんなちがって、みんないい」ということです。
震災のとき、ずっと金子みすゞさんの詩がテレビコマーシャルの代わりに流れていたので、「みんなちがって、みんないい」という詩を知っている人もいるでしょう。
たとえばネット上の恋愛コラムで、いっとき「ドン引きネタ」が流行りましたが、彼氏の言動に彼女であるあなたがたとえドン引きしたとしても、「それはそれとして」受け止めてあげること、ああわたしの彼はこんなことをする人だったんだ、こんなことを言う人だったんだ……というかんじで、「そのままを認めてあげること」。
これが恋愛における多様性のひとつのあり方だろうと思います。
■女子の意見が多い時代だから・・・
恋における「多様性を認めること」って、相手のことが好きであればあるほど(あるいはもっと正確に言うなら、相手のことを愛していればいるほど)、自然にできることだろうと思います。
本当に、心底、彼のことが好きであれば、彼のなかの「いろんな顔」を、自然と理解し受け止めますよね?
だから、本当は、こういうコラムって、書く必要がないものです。
それを敢えて書くのは「恋はこうしなければいけない」とか「こうしたほうがいい」とか「どうしたらいいの?」というような女子の意見が多い時代になったからでしょう。
■恋愛のマニュアル、ください
言うまでもなく恋愛にマニュアルはないものですが、それをあたかもあるかのように書かなくてはならないというのは、多くの人たちがマニュアルがないと不安に思えてしかたないからでしょう。
そしてそれは今の時代に限った話ではなく、昔からマニュアルのない恋愛って、だれにとっても不安でしかたないものであり、今のネットがある便利な時代に、その不安感が表面化してきただけ、ということなのでしょう。
■自分の感じ方
マニュアルのない恋愛って、本当に自由で楽しくて豊かなものです。
「ない」から不安に思う人は、もっと自分の感じ方を大切にしてみてはいかがでしょうか。
彼がこういうことをしてきたら、彼女として「こうすべき」ではなくて、自分の感じ方を大事にする……つまり、彼のアクションに対して、彼女としてのリアクションを少し保留にして、彼のアクション自体を感じてみるといいのではないか、ということです。
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テレビのコメンテーターを見ていてもわかるように、最近は「すぐに」「端的な」「答えを」述べる人が、なにやら立派そうに見えますが、恋愛に「すぐ」もなければ「端的」もなければ「答え」も、本当はないものです。
カップルでお互いに「目の前で起きている出来事を」「ただ」「感じあう」。これが本来的な恋愛でしょう。
彼のいいところはもちろん、イヤなところも、まっすぐに見て、感じて、受け止めてあげる。答えを出す時期を少し遅らせてみる。これだけで、かなりいい恋愛が、きっとできるはずです。
恋愛におけるダイバーシティって、たとえばこういうものです。(ひとみしょう/ライター)