皆さんこんにちは。15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。ネイルサロンは不思議な空間。手を握り合ったまま過ごす約2時間。
手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。
親しいのに友人関係ではない。もしかしたら来月は会わないかもしれない。
近くて遠い関係だからこそ、プライドも恥もなく自分の真っ黒な本心さえも吐き出せてしまうのかもしれない。そんなサロンワーク中のみんなの恋のお話を切り取ってお送り致します。
※許可を頂いたものだけ掲載しています。
※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。
浮気癖は治るのか?
「浮気は病気だからなかなか治らない」
定番のように語り継がれる一言だけれど、幸か不幸かたくさんの浮気病の人と接している中では「そうとも限らないな」と思うことがチラホラある。
いや、もちろん「病気だな」と諦めざる負えない人もいるのだけれど、「絶対に治らない」病気でもないな、というのがホントのトコロ。
「昔は浮気ばっかりでねぇ。私も泣いてばっかりだったけどさ。覚悟決めると、浮気病も治ったりするんだからおもしろいよね。」
そう言って笑うお客様は、案外多い。そして、高らかに笑うその人達の共通点は
「徹底的にやったこと」
聞くも涙、語るも涙
これは、何人もの女性の「真剣勝負の戦いの記録」だと言っても過言ではない(かもしれない)
オンナは覚悟を決めるとここまで強い意志で戦うことが出来るのだな、と。
「ハラをくくった」てこういうことを指すのだろうか。もういっそ、刺し違えてもいいから徹底的に戦ってやろうかとハラを決め始めている皆さん。ぜひ、参考にしてみてください。
ケース1「全ての関係者による尋問」
浮気相手数人(現在、過去含む)親類、友人、子供の幼稚園の担任まで、一同に介して「どういうつもりで浮気をしているのか」問い詰める方法。
浮気相手達には「協力してくれたら慰謝料は請求しない」と伝えたらしい。
もちろん、離婚覚悟である。浮気相手の方々には、本気というのは嘘だったのか?と責められ泣かれ、親や親戚には恥ずかしいと泣かれ、幼稚園の先生には、親の浮気や離婚による子供への影響をどう考えているのかと説かれ、友人には軽蔑の眼差しと共に離婚後の慰謝料や養育費の概算を突きつけられる。
旦那様、針のムシロとは正にこのこと。奥様は離婚を覚悟での大会議。
旦那様、この決死の大会議以降は生きた屍のようになっていて、もう何年も浮気の「う」の字もないそうです。
浮気が題材のドラマの番線が流れるだけで顔が真っ青になるとか。トラウマですかね。
ケース2「離婚の合意なし」
このケースはすごく多くて、とにかく合意しない。調停から裁判になろうと最高裁まで戦う覚悟。相手の家に転がり込んで何年も帰ってこなくても構わない。
とにかく、合意しない。別れない。そして、相手のことを気にもしない。そのことについては反応もしない。話し合いもしない。離婚は「しない」一択。
そう。完全なる「無関心」。この作戦のポイントは「泣くでも喚くでもない」こと。
悔しくても悲しくても平静を装うこと。勝者になる為に必要なオンナの女優魂の戦いでもある。こちらの反応がないと、相手は泣き落としや恫喝などわーわーと色んな手で戦ってくるらしい。
でも、一切反応しない。無関心を装うこと。そうすると大概は、泣いたり喚いたりした方が疲れて降参する。「別れられないんだな。」そう実感して帰ってくる率90%以上。
うまい想いだけして生きようなんて甘い。「結婚」の責任を実感して生きるがいい。ふははは!というパターンだろうか。ちなみに、女優を演じている間に愛情は冷めるそうだ。
「やっぱり戻るしかないんだな」なんて、過ぎた過去に遠い目をしつつ、モトサヤで幸せを感じている旦那。浮気もなくなってすっかり家庭人、改心したかのように見える旦那。
でも、一度冷めた愛情は戻らないわけですよ。たくさんの証拠を眺めつつ、どのタイミングで「相手の有責」で捨ててやろうかと考えるとワクワクするそうです。
ケース3「捨てる」
彼の浮気に気付いた。旦那の浮気を知った。そこからの1週間が勝負の短期決戦!であるこのパターン。家の鍵を変えて、彼や旦那の荷物を宅急便で送る。ただ、それだけ。
荷物の送り先は、相手の実家でも会社でもいい。できれば電話番号も変える。
念の為、メールだけは受け付ける体制にしておく。
荷物は、浮気相手の家に「請求は別途送付致します」の令状を付けて送ってやってもいい。
このパターンも、泣きもせず喚きもせず、話し合いもしない人が多い。むしろ「お幸せに」の一言を添えている人も多い。
でもなぜか、復縁して幸せになっている人が多いこの方法。
このパターンの場合、相手に「簡単に捨てられた」という傷が残るからだろうか?
愛情は嘘だったのかと聞いたりもせず、どういうことだと問い詰めもせず、重ねた年月を振り返りもせず、捨てる。「浮気をした人の言い分は聞かない」この方法は「相手の土俵に乗らない」てことだ。浮気をするような人間と人生を共にすることはないと、きっぱりと提示するこの方法。
辛くないわけじゃないし、1人になったら気にせず泣こう。でも、オンナのプライドをかけて相手の土俵には乗らないのだ。でも、面白いことに、ほとんどの人が何年かしてまるで別人のようになった相手と復縁している。何年か後に結婚したりしている。
「失って気付いた人」の多くは、いきなり目が覚めたように別人のような相手に生まれ変わっている。
大切なのことは、ここで「浮気した過去も引きずらない」ということなんだろうな。
おわりに
浮気を何度も重ねる人って、究極のかまってちゃんが多いのかもな、と思う時がある。
この場合「本気の浮気」パターンは除くとして、いずれは必ずバレるとわかりきっている浮気をして、案の定揉めに揉め、周りに責められ、時には捨てられるわけだけども、どうしてそんなめんどくさい想いをするとわかりきっていても浮気を重ねるんだろう?
だから「病気」ということなのかもしれないけれど。
“ときめき”は麻薬のように甘い脳内アドレナリンを出すのかもしれない。
おもしろいのは「浮気した人間」に対してとにかく反応をしないという方法が効果的だっていうことだ。「バレたらやばいよねー」なんて思っている相手の予想の斜め上をいく反応はいい薬になるらしい。
煮えくり返るハラワタをチラつかせもせず「相手の土俵に乗らない」。女優になりきるしかないような戦いの場面でもありますが、その効果は絶大のようです。
お試しあれ。
(川上あいこ/ライター)