外の世界の危険から身を守る建物があれば、安心して明日を迎えられます。夢に建物が現われる場合、時に危急の出来事を知らせる予知夢になっていることがあります。
ある女性の予知夢の体験です。
・・・自宅に帰ると二階建ての家中が真っ暗になっていました。停電のようです。家族は蝋燭かランタンの明かりに照らされた薄暗い浴室に集まっています。狭い浴室に母と祖母、妹とその友人みたいな女の子が二人いて、みんな着膨れするほど上着を着込んでぎゅうぎゅうになって座っています。なぜか父だけがパンツ一枚の姿で浴室の外の真っ暗な廊下をうろうろしています。「お父さん、何しているの?」と尋ねても、無視するようにペットボトルの水を廊下にまき続けています。変な夢を見たなと思っていたら、その数日後に父が急性肺炎で緊急入院しました。夢って本当に不思議です。
では建物にまつわるいくつかの予知的な夢のシンボルをご紹介しましょう。
停電の夢
建物や施設、室内が急に停電になる夢は、物事の停滞、状況の停止を暗示します。近未来に起こる活動の停止や停滞状況の予知夢になることがあるので注意が必要です。仕事、健康など、日常的に行われていた活動が突然停滞してしまう状況を象徴します。部分的に明かりが灯っていたり、外に出られたり、周囲がよく見えるイメージなら、さほど停滞状態は長引かないようです。
地下通路や地階から地上に出る夢
駅やショッピングセンター、デパートや高層ビルの地下通路・地階から明るい地上に出る夢は、現状の変化、好転を暗示します。地上の明かりが見えてきても開運の兆候となります。
ただし、夜の移動や地上に出られないイメージなら、現状の試行錯誤を暗示します。地上への出口を探し続けているなら、運気の停滞を暗示します。
要注意!玄関の夢
玄関にやってきた肉親が何らかのメッセージを伝える事例は多く、海上の転覆事故で一週間以上行方不明になっていた漁船員の妻が見た夢では、夫が「ただいま」と勢いよく玄関を開けて家の中に入ってくる夢を見たその日、海上で漂流していた彼が無事に保護されたという知らせが届いたという話や、訪ねてきた祖父を玄関から中に招じ入れようとしたところ「入るわけにはいかない」と断られる夢を見た後、祖父の訃報が入ってきたという話などがあります。
このような玄関の夢は一種のテレパシー夢で、身近な人の吉報をもたらす予知夢や訃報をもたらす霊夢になります。玄関に現われた人物が家の中に入ることができなければ、悪い知らせをもたらします。
鉄塔や電波塔の夢
大きな鉄塔を見るのは逃げ場のない状況、物事が立ちいかなくなる状況を暗示します。誰かの精神的な支配や拘束を受ける、他人の口出しや監視をされるような状況をあらわします。一方、東京タワーやスカイツリーのような電波塔、巨大なパラボラアンテナが設置された放送局や通信局のイメージは、コミュニケーションの好転、身近なコミュニケーションに大きな変化が起こる暗示になります。
建物にまつわる夢の不思議
これまでの夢の鑑定結果や筆者自身の経験から、外の世界をネットワークでつなぐ鉄塔や電波塔、外と内の世界の境界線を象徴する玄関のシンボルは、基本的にテレパシー夢や霊夢になりやすいようです。
ある女性会社員の体験です。
・・・珍しく母が夢に現われました(現実では、ある出来事がきっかけで母とは何年も絶縁状態)。母が車を運転し、私は助手席に座っていました。免許を持っていない母がハンドルを握っているので、運転は頼りなく、母が道に迷わないよう私は周囲の建物ばかり見ていました。実家の駅近くの風景にそっくりでした。
急な坂道を上っていくと地元の放送局がありました。屋上のパラボラアンテナが異様で、高台から坂道を下りながら振り返ってもアンテナだけまだ間近にあるような大きさでした。ようやく下り切ったところで母が「○○ちゃん、もう一人で大丈夫だから」と言って私を降ろそうとするので、「今度は私が運転するから」と言っているところで目を覚ましました。
この夢を見てから3日後が私の誕生日でした。その日の夕方、母から小さなプレゼントと手紙の入った宅配便が届いてきました。
(梶原まさゆめ/ハウコレ)