恋が叶うおまじない、受験で失敗しないおまじない、病気から身を守るおまじない……、世の中にはおまじないがあふれています。雨が降らないように願う「てるてる坊主」もおまじないの一種です。気軽で身近に見えるおまじない。その実態について解説します。
1. 子供のころに流行るおまじない
「新品の消しゴムに好きな人の名前を書いて、気付かれずに使い終わると恋が叶う」や、「好きな人の名前を絆創膏に書いて、小指に貼って過ごすと声をかけてもらえる」などのおまじないを、小学生のころに聞いた覚えはないでしょうか。子供のころに流行るおまじないは一般的に人と人との縁をつなぐものが多く存在しています。これは子供のころはまだ発達の過程で他者との関わりが上手にできないために、その代替行為としておまじないを介し成就を願うためと言われています。
2. 大人になってからのおまじない
大人になると自ら行動を起こす形のおまじないを用いることは少なく、ジンクスにより成就を願うような形へと変化していきます。例えば、「茶柱が立つと幸運」や、「花嫁からブーケを受け取ると次に結婚できる」など、目の前の事物を介して念を込めることが多くなります。「お百度参り」など、本格的なおまじないを試みる人もいるかもしれませんが、多数の人は積極的におまじないを行使することは少ないはずです。
3. おまじないとは何か
「おまじない」という言葉を、パソコンや携帯で漢字変換してみましょう。おまじないは漢字で書くと「御呪い」。そう、おまじないは呪いの一形態なのです。呪いとは人が他者に対して精神的な何かを用いて災厄をもたらすこと。おまじないと軽い言葉で扱われていますが、ひとつ間違えるととても恐ろしい結果が待ち受けている、安易に用いてはならないものなのです。人を呪わば穴二つ。呪いはただ自分に利するものではなく、自分を傷つける可能性も同時に持っているということを忘れないようにしましょう。
4. 過去の過激なおまじない
古いおまじないを集めた資料を読むと、尋常じゃないものがたくさん出てきます。恋愛成就のおまじないに生きた動物を犠牲にするようなものや、ギャンブル運アップに現代では警察に捕まってしまうようなものを使うおまじない、ただ幸運を願うものでもここに書けないような道具を使うおまじないが多数あります。それだけ当時の人はリスクがあってもおまじないに頼りたい気持ちがあったのです。
おわりに
おまじないは願う力。何か叶えたいことがあるからこそ、人はおまじないに少しだけ頼るのではないでしょうか。他者を犠牲にするようなおまじないは自らを害することにつながってしまいますが、ほんのちょっと勇気をもらうために、後押しをしてもらうために、願掛けのような形のおまじないであれば、きっとあなたの助けになってくれるはずです。どんなに恋を叶えたくても、強すぎるおまじないは身を滅ぼす元です。
(桜田ケイ/ハウコレ)