どうもあかりです。
■1:理性的な態度をやめる
最初の意味は、「理性的な態度をやめる」というものです。
よく男子は言いますね。「頭いい人より、馬鹿な女子がいい」って。このフレーズが、学力が高いかどうかとかそういう話をするために使われることってほとんどないはずです。
私がこのセリフを元カレから言われたシチュエーションは印象的でした。
私が、仕事が遅くなって深夜に家に帰っても、彼がお皿洗いすらしてくれていなかったときに「私だって働いてるのわかるよね? あなたが遅くなるときは、私がそのぶん家でちゃんとやってる」と言ったんです。すると彼は、「あのさぁ、言いたいことはわかるけど、どうしてもっと『ねえ、お皿洗ってくれたら嬉しいなぁ……』って“普通にかわいく”言えないの? だから頭いい女ってやなんだよ。もっとちゃんと馬鹿な女がいいよ」と言い返してきました。
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もちろん、「普通にかわいくしろ」だとか「頭いい女がいい」だとか、そもそも自分が何もやってないことを棚に上げてることとか、彼側に問題のある部分はおおいにあるので、それはそれで別の機会にきちんと彼に気持ちを伝えました。
けど、一つの気づきでもあったんですよね。彼が「こっちの方がいい」というその「馬鹿な女」は、彼にお願いをするときや、文句をいうときにも、きっと彼のプライドに配慮して、上からじゃなくて、「かわいく」言うことができるんだろうなって。たしかに自分も、彼にとってそういう彼女でありたいなって。可能であれば。
「馬鹿になる」:「理性的な態度をやめる」といっても、理性まで失っている(本当に馬鹿になってる)わけじゃありません。馬鹿になった“ふり”をしているだけ。
理詰めで彼を追い詰めて「はい」と言わせるんじゃなくて、彼の急所をついて「かわいいからお願い聞いちゃお」って思わせて、思い通りにさせる。
「馬鹿な女」というのは、一見かっこ悪く見えるけど、実は頭の中ではとても“理性的”で、目的達成のためには、「頭いい女」よりはるかに賢く行動できている。
「馬鹿になる」というのは、「媚びを売る」とかそういうことじゃなくて、むしろ、自分も相手も同時にハッピーにするための、超頭脳的・理性的かつ戦略的で大人な対応の形なんです。
■2:感覚がなくなる
もう一つは、「感覚がなくなる」、要するに、「麻痺してしまう」という意味。恋愛においてネガティブな意味でのキーワードです。
よく「ネジが馬鹿になる」(回らなくなる)とか、「鼻が馬鹿になる」(臭いところにいすぎて鼻が麻痺する)とか、そういう意味合いで使われますね。
この「馬鹿になる」というのは、「ある刺激を繰り返し与えすぎると、だんだん、それを“刺激”と感じなくなる」というふうに説明できるものだと思うのですが、これは恋にもドンピシャで当てはまると思いませんか?
彼氏が、彼女の顔を見て「かわいい」と感じるその刺激。彼女の裸を見て「エロい」と感じるその刺激。恋人がお互いに、相手の感じる刺激に対して馬鹿になったら、ふたりはおしまいです。
そして「鼻が馬鹿になる」例を考えると、たとえその臭い(刺激)がどれだけ強烈でも、一定期間嗅ぎ続ければ、必ず馬鹿になるはずです。だから刺激の強さは関係がない。どれだけかわいくても、エロくても。
そこで考えるに、とにかく「変化なく続く」というのは、この状態を生み出してしまう条件だと思うんです。
結局ここから、「会えるからって会いすぎない」「いくら心地よくても、同じようなデートばかりしない」といったとても聞き覚えのあるルールが導かれます。
「会いすぎず、ほどほどの距離感」「たまには変化をつけよう」というよく聞くけど、意味がわかるように実はあんまりよくわからないあのアドバイスたちは、恋だって「馬鹿になる(なってしまう)」からこそ大切だったんですね。
■おわりに
「大切なときに馬鹿になれる彼女でいること。それから、馬鹿にならないように気をつけること」
これが私のモットーですが、今のみなさんならその意味を理解できると思います。もしも「いいな」と思ったら、どっちか一つだけでもいいので、みなさんの恋のマイルールに加えてあげてください。といっても、「馬鹿になる」という言葉一つで二つを兼ねていますので、せっかくなら、両方お願いします。(遣水あかり/ライター)