彼の態度がちょいちょい冷たくなるたびに、「彼はわたしのことを愛してくれていないんじゃないのかな」なんて思っていたのではカラダに良くないです。男って、彼女のことが好きであっても、不機嫌になるときはすごく不機嫌になることがあるからです。
■軽いパニックに陥っているから
女子ってわりと「機嫌が悪い理由」をちゃんと順を追って彼氏に説明できてますよね。「今日は仕事でイヤなことがあったから、わたしに近寄ってこないで!」とか。
でも男子でそう言える人って少ないです。たいていは不機嫌になって無口になって、ということに。
このへんのことって、「女子のほうが精神的にオトナ」だと言われているゆえんだったりもすると思うんですが、それにしても男子はなぜ、イヤなことがあるといとしの彼女に対して冷たい態度をとってしまうのか?
思うに、男子のこういう態度って、ほぼ生理的なものなんですよね。生理のとき機嫌が悪くなる女子がいるように、男子の「イヤなことがあった=態度が悪くなる」というのも生理的なものだったりもするので、あまり気にしなくていいです。
「彼女が生理で不機嫌なときはそっとしておこう」と彼が思っているのと同様、「彼が不機嫌なときは静かにしておこう」と思っておくといいです。
■「それが男らしい」と思っているから
「ちょっと冷たい態度=男らしい」と思っている男子っていて、そういう人って「クール」を「冷たい」と誤訳しているんですよね。クールというのは、ざっくり言えば「知的でオトナの雰囲気のある」とか「都会的にかっこいい」みたいなことを言います(スラング的な用法だという説もあるけれど、そのようなニュアンスでわりと一般的に使われています)。
つまり男子の「男の生き方のお手本」って自分のお父さんだから、彼のお父さんは彼のお母さんの前で、ちがった意味で「クール」に振る舞っていたのでしょう。
昭和は遠く消え去り、平成も終わろうとしている今、「愛のある態度」をあなたが彼に教えてあげてはいかが?
■「なにをやっていいのかわからない病」にかかっているから
若い男子と話していると、「自分がなにをやっていいのかわからない病」におかされていることに気づかされることしばしばです。
これは女子も同じかもしれないね。「なにをやっていいのかわからないから(けど)、とりあえずなにかをやってみた→でもやっていても楽しくない」この繰り返しでしか、しっくりくる生き方をつかめないわけだから、それはそれで仕方ないのだけれど、でも男子はねえ、なにをやっていいかわからないからといって、彼女に八つ当たりするかのごとく冷たい態度に出るというのは、ちょっとねえ、と思いませんか?
こういうのは彼の問題であって、あなたになにも非はないわけだから、「子どもだな」と思って別れるもよし、彼と一緒に生き方を築き上げるもよし、彼女であるあなたが好きなようにすればいいです。
不機嫌の理由を相手にちゃんと説明できる能力って、生きていくうえで必要なスキルの中でも、とりわけ高級なスキルです。たいていは黙り込んでしまうか、(地味に小さく誰かに)八つ当たりするかです。
いいことも良くないことも、楽しいことも楽しくないことも、すべての心の動きを彼と共有することができれば、生涯思い出に残るステキな交際ができます。(ひとみしょう/文筆家)
今夜はちょっと、恋の話をしよう