この記事は、「こうやったら彼氏に愛される」みたいな即効性のあるモテテクを紹介するものではありません。
■LINE来ない
「断言できる。交際前と、交際後とで、彼女にLINEを送るペースが落ちない男子などいまだかつて存在しないと」(商社/26才)
言い切っていただきましたが、私もこの主張は完全にサポートします。
LINEはいわば、ふたりの関係性の未熟さを埋めるためのもので、ハンバーグで言ったら「つなぎ」のような役割です(出た、遣水の料理してますアピール!)。裏を返せば、ふたりの関係が十分にしっかりしてきたら、あとは必要な用事があるとき以外、LINEを送る必要性なんて感じないのです。
「LINEをしてないと、なんか不安」と感じていた当初のほうが危うくて、むしろ気が付いたら数日LINEしてねえぞってほうがよっぽど健全です。
男子諸君に励ましてもらわずとも、こうして理屈で考えてみれば、LINEが減ったことを心配する必要なんてそもそもないんだってことに気が付くのでした。
■あとはだいたい同じっす
もちろん「私愛されてるのかな?」的なあるある不安はここには書ききれないくらいにたくさんあって、とくに、「『好き』って言ってくれる回数が減った」「あんまり手をつないでくれなくなった」「キスが減った」といった「減った」系の不安を持つ人ってとても多いと思うんです。だけどこういったタイプの不安であれば、基本的に上の「LINE来ない」のところで説明したのがそのまますぽって当てはまります。
だからこの種の恋愛相談は、だいたいこれと似たようなことを答えておしまいになってしまうという簡単なお仕事……。
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なんか手抜きしてねえか?遣水。
そう思った方もいるかもしれませんが、そういう意味ではなくて、むしろ本題はここからです。
恋で感じる「不安」というものについて一言いいたいです。
まず「不安」を感じているとき、それは「大丈夫」なサインだと思っていいと思うんです。
なぜなら、私たちには、誰でも、恋人から愛されているかどうかを直感で判断できるくらいの能力はある。「そんな能力ないよ! 彼が私のことを好きかどうか、本気で本気でわからないんだもん!」と命を懸けて言える人がもしもいるのなら、個別にご相談させていただきたい。きっとみんなが、「ねえ、その不安はわかったけど、マジでマジでマジでマジで、『彼が私のこと好きじゃないかも』って思ってるの?」と問い詰められたら「いや、たぶん好きではいてくれてると思うけど……」とこぼすはずなんです。最後には。
「不安」というのは「好き」と表裏一体で、相手のことが好きであればあるほど、それと比例して、「この人を失ったら怖いな」という気持ちが膨らむせいで、「愛されてなかったらどうしよう」という不安がセットでついてきているだけのもの。
だから、「不安」を感じるのは、単に「彼が好き」ということでしかない。「やばーい、大好きすぐるすぐるすぐる。でもー、ひょっとして彼が私のこと別に好きじゃなかったらどうしよー。ほんと困るわー」にほぼ等しい。ほとんどノロケのようなものですね。「不安」は自分の本能が「好きだっ!」と叫んでいるだけ。そう認識しましょう。
じゃあ、そんな「好きかどうかわかる」私たちが本当にやばいときにはどうなるのかというと、「不安」なんてあいまいなものじゃなくて、もっと単純に、「あ、好かれてないな」っていう確信を持つんです。
「不安」と「好かれてない確信」は、まったくの別物です。
私たちは本能レベルではこの区別がはっきりとできているのに、私たちの意識は、これをうまく区別できずに、「不安」を感じたときにこの確信と混同して、そのせいで真剣に悩んでしまうことがあって、それが恋を難しくしてしまっていることがあります。
こうは言われてみても、なかなか一瞬で飲み込める内容じゃないというのもそりゃそうかもしれませんが、ただ、頭で理解はしておく。このことが、いずれそう心から理解できるためにまずは大切です。(遣水あかり/ライター)