好きな人と交際に至った直後は、「私って本当に好かれてる?」みたいな悩みに襲われることがよくあります。
マイナス効果
まずそもそも、この悩みを真剣に考え抜いても、あまりメリットはありません。
例えば、これを考えに考え、煮詰めに煮詰めた結果、「そっか、きっと私、好かれてるわ!」とか逆に「あ、全然好かれてなかったわー!」というどちらかの答えが出るというものではありません。
また、直接「ねえ、私のこと好き?」と聞いてみることも、自分でひたすら考えるよりもまだ建設的かもしれませんが、やっぱりこれも、悩み解消にはなかなか繋がってはきませんよね。
こういう質問をしたときって、仮に(というか当然?)相手が「もちろんだよ。大好きだよ。どうしたの?」と言ってくれても、(私がこんなことを聞いたから、こう答えただけなんじゃないのかな……)とか不安になったり、また、そう答えるときの相手の表情にちょっとだけ動揺があった”ような気がしして”しまって、さらに、「こんなこと聞く私って、ウザいなぁ」なんていう自己嫌悪に今度は苦しめられたりすることになります。
結局、この不安と正面から向き合ってしまえば、どこにいっても行き止まりで、いい出口はなかなか見つからないのです。
■イニシエーションだと思おう
そんなことを言われたって、気になるものは気になる。
気になるものを気にするなという方が無茶だ。
そう思うのはもっともだと思いますし、そんな簡単に済む問題なら、誰も困ってないぞって。
でも、「私って好かれてるのかな」というのはどんな人でも、付き合いたての頃に一度は持つ不安。そして、誰もが、付き合ってしばらく経つと、持たなくなる不安です。
付き合ったばかりの頃は、そもそもふたりの関係が不安定なせいで(まだ交際期間が短いのですから当然です。いきなり安定してるカップルなんていません)こんなふうに考えてしまうわけですけど、だんだんと時間とともに安定感は出てくるものです。「好きでいてもらうこと」が当たり前になってくるまでの辛抱です。
繰り返しますが、付き合いたてならば、みんなが持つ悩み。そして、いずれは消えてなくなる悩み。最初は誰もが通る「イニシエーション(通過儀礼)」みたいなもんなんですよ。
受験と同じで、試験前はみんなが「落ちるかも」って不安に思っているんです。でも、みんなが落ちるわけじゃないですよね。そして、受験だったら結構の割合が不合格になりますが、恋愛では「付き合ってたのに実は愛されてなかった」っていう不合格の割合って、そんなに高くないですよね。
だから、「私って、本当に好かれてる?」と感じてしまったとき、それは、「あなたがマジで好かれていないかもしれないから」なんじゃなくて、「あなたも『みんな』の一人に過ぎないから」というだけのことだって思ってほしいです。周りと同じというのは、普段はあまり嬉しくはないことだけど、こういうことに限ってはなんだか少し頼もしいですよね(笑)。
いいですか? 「私は彼に好かれてるのか?」というときには、ぜひこの考え方を使って、こんな無駄な悩みにまともに付き合わないように。(遣水あかり/ライター)