「今日の彼、なんか楽しくなさそう……大丈夫かな」
■彼氏に浮気されたら?
以前ある女性とお話をしていて恋愛にまつわる話題になったとき、何気なく「今の彼氏にもし浮気されたら?」と聞いてみたことがあります。
そうしたら「うーん、別れるかな(笑)」と即答。
実は結構このリアクションに私自身は驚いてしまいました。
というのも、その人が大の彼氏好きで、もう何年も付き合っているその彼氏と、おそらく結婚するんだろうなーなんて思っていたらからです(実際にその後、無事にゴールインされました)。
当時の私だったら(もしかしたら今も)、たしかに浮気は悪いことってのは当然だけど、大好きな人だったら、いざ浮気をされてしまったときに即座に「さよなら」と言える自信はなかったはず。
みなさんなら、この質問にどう答えますか?
もしくは、将来大好きな彼氏ができたときのことを想像して、同じ場面になったとき、どう答えるでしょうか。
■自分さえよければいい
そして上の女性はそのとき「だって、私なりに頑張ってるのにそれでも浮気されたら、もう無理だなって思うから」とだけ簡単に説明をしてくれたのですが、私はこれでだいぶ納得がいったのも覚えています。
とても自分をしっかりと持っている素敵な人でした。
思えば、恋愛では、自分では思い通りにならないことが少なくなく、むしろ大半です。
ましてや、「相手が自分のことをずっと好きでいてくれるか」というもっとも肝心な部分すら、恋愛では自分の力ではコントロールしきることができないんです。
どれだけあなたがかわいくても、どれだけ優しくても、そしてどれだけ相手に尽くしても、ひょっとしたら、明日目が覚めたときには、相手の気持ちはもう冷めてしまっているのかもしれない。恋愛そのものが、このような毎日薄氷を履み続けるようなおぼつかない経験なのです。
だからって、諦めるわけじゃありません。
愛されることを、自分が相手にとって絶対的な一番の存在であることを諦めてしまえば、その瞬間に恋は終わります。
諦めるのではなく、割り切る。
自分にできること、自分が気にすべきこと。と、自分にはできないこと、自分が気にすべきではないこと、そして、自分の手ではどうにもならないこと。
大切な人を一生懸命に想い、精一杯かわいく、魅力的でいようとする努力。
これこそが恋愛のために自分がすべきことで、その全てです。
浮気をしたら嫌だから防がなきゃ、危なそうな女の子は排除しなきゃ、彼の行動に目を光らせなきゃ。これらはどれも、あなたの仕事ではなく、彼が自分でやるべきこと。
「私は私でやるべきことを頑張るから、あなたはあなたで、しっかりやってね」
この一見とてつもなくドライな関係は、実は深いところで見ればとても自律的で、そして、自分と相手の両方に対する厚い信頼に守られているように感じるのです。(遣水あかり/ライター)