夢なのか現実なのか、体を動かせずただ恐怖に耐えているだけ・・・多くの人が体験するこのような現象に「金縛り」があります。また、ホラー映画のワンシーンのように目が覚めても目が覚めても本当の目覚めを迎えられない「夢中夢」など、これらは生理的な現象の一種と言われていますがすべての夢が本当にそうでしょうか?夢にはまだまだ科学では割り切れない不可解な現実との一致が確かにあります。そのような奇妙な現象のいくつかをご紹介しましょう。
同時夢
二人の人が同時にまったく同じストーリーの夢を見る現象です。家族や友人同士、または隣り合って暮らす他人が同時刻にまったく同じ内容の夢を見て目覚めるといったテレパシー夢です。実例を一つご紹介しましょう。
=====
ある職場で二人のスタッフが徹夜作業を終えての仮眠中、同時刻に目覚めました。一人が「今夢を見て目が覚めた。出張でいないはずの○○さん(職場の上司)が突然職場に現われて車の写真のコピーを頼んできた」と言うと、もう一人も驚いて実はまったく同じストーリーの夢を見ていたという話になりました。すると間もなく、その上司が早朝出勤してきて「客先の交通事故で急きょ予定を変更して戻ってきた」と言ったそうです。
自覚夢
夢の世界にいながら自身が夢を見ているという自覚がある現象です。夢を見ていることがはっきりわかっているので、自分の意思で自由に行先を決めたり、周りの風景を自在に変えたりできます。リアルな現実と「不思議の国」が混在しているような印象で、特に鮮明な色彩に満ちたものを「明晰夢」とも言います。夢のスタート時に特定のイメージが現われるのが特徴で、たとえば筆者の経験では最初に鋼鉄の巨大な建物か、らせん状に遊歩道のある公園などが登場します。この夢のイメージに入ると、すぐに夢を見ていることに気がつくので、この後の行動は自由自在、好きなアイドルを登場させたり、デートしたり、空を飛んで南の島にも行ってみたりすることもできます。自覚夢は練習次第で見ることが可能です。その方法はまたの機会に。
夢中夢
モンスターに襲われそうになって目覚めてもまたモンスターが現れ、逃げ切れたと思ってほっとして目覚めたら、ベッドの上から再びモンスターが顔を出して気を失う。気がついたらようやく本当の朝を迎えているといった夢。パターンや登場人物が違っても、多かれ少なかれ誰もが経験することのある悪夢のひとつです。これは出眠時幻覚と言われる一種の幻覚夢です。過重なストレスやプレッシャーがかかっているとき、または心身の調和が乱れているときに経験するもので、基本的に予知夢ではありませんのでよく休息をとってください。
金縛り
ほとんどは夜更かしや不摂生による生理現象です。体は疲れているのにゲームや読書、頭脳労働で頭だけは冴えているときによく起こります。ただ、時々不可解な事例があるのも事実です。筆者の体験を一つ紹介しましょう。
=====
夜中に突然目を覚ますと誰かがベッドの端に腰かけていました。驚いて起きようとしましたが体はまったく動きません。目をつむり再び目を開けると、やはり首だけをこちらに向けたもやもやとした灰色の人影が常夜灯に照らされて見えます。よく目を凝らすと小柄な男がジャージ姿でそこに座っています。でもなぜか顔だけが黒くてよく見えない。やっとのことで金縛りを解いた後は布団を頭から被って寝ました。・・・翌朝、深夜に亡くなった叔父の訃報を知りました。小柄な叔父は長年病を患っていたので普段からジャージ姿でした。
他にもある奇妙な夢の現象
予知夢や正夢の話は改めて別の機会にするとして、一番多い現象がテレパシー夢や霊夢と言われているものです。実例は枚挙にいとまがないほど多くありますが、長年夢の鑑定をしていてやはり不思議な事例をうかがう機会があります。たとえば、当時20代女性の霊夢ですが、「子猫を追いかけている。猫をつかまえると13才くらいの可愛い男の子になっていてうるうるした目で私を見つめてくる。夢の中で○○と彼の名前を呼んでいた。」という夢に「明らかに妊娠の兆し、生まれてくるのは男の子」という鑑定結果を送った後、彼女に思いがけない妊娠の兆候があり、さらに8ヶ月後には胎児が男の子であることが判明したそうです。名前は夢の通り○○と決めたそうです。
(梶原まさゆめ/ハウコレ)