カップルがけんかをするのは仲が良いことの証拠。
けんかは興味関心の証拠
けんかするほど仲が良いというのは、そもそも、どういう意味なんでしょうか。
思えば、自分が興味のない相手、関心を抱いてない相手には、人は当然、怒りや不満といった感情そのものを抱きません。これは裏を返せば、怒りや不満を手にけんかを挑むような相手というのは、必ず自分が興味関心を抱いている相手であるということです。
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恋愛の話に寄せてみれば、けんかをするカップルというのは、それだけ、お互いに対して強い気持ちがあるということが言えるでしょう。
だから、けんかするほど相手のことが好き、つまり、けんかするほど仲が良いという言葉に繋がるんだと思います。それに、仲直りするたびに問題も解決していけますしね。
「どうでもいいや」と妥協せず、衝突してでも問題を解決したいという執念にも似た気持ちは、まさしく、その恋愛に本気になっている証拠。
ですので、たまに大きなけんかをしてしまうこと自体は、心配することではありません。
膿をためるけんか
とはいえ、度重なるけんかが原因で別れてしまうカップルがいるのはどうしてでしょうか?
それは、仲良しだからこそのけんかの中で、お互いの心に膿を生んでしまうようなけんかの仕方をしてしまっているからでしょう。
例えば、「トイレの便座下げてよ!」「別にいいじゃん減るもんでもないし!」みたいな(ちわ)げんかがあったとします。これ自体は、先にも述べたとおり、まさしく仲良しだからこそのものでしょう。
ですが、そこから飛び火して、「だいたい、これ以外にもいろいろとだらしないところ多すぎるよ。女子とふたりで飲んだり、そういう交友関係もなんかルーズだよね」といった具合に「本件と無関係」な非難を「ついで」にしてみたり、また、無関係な話題には移らずとも、(とくに男子にありがちですが)大声で怒鳴ったり罵倒したりなど、態度自体が過激だったり、そういうけんかは、まずもと通りに仲直りはできません。
もちろん「トイレの便座」に関する争いは、まもなく収束するでしょう。
でも、そのけんかの際に「ついで」にされた他の件に関するディスりや、「馬鹿野郎!」的な精神的な攻撃の傷跡は、必ず相手の心に膿となって残ります。
「便座問題は結局解決されたけど、そんなことよりあのけんか、めちゃ傷ついたなー……」といった具合にです。
こういった膿を残すけんかを続けてしまうと、どうしても、膿からくる痛みに耐えられなくなって別れを考えてしまうときがあります。けんか自体は、紛れもなく仲が良いからこそ勃発していたにもかかわらず、です。
仲が良いからこそのけんかであっても、その取扱いを誤れば、仲が悪くなる原因になりかねない。
「戦争」にもルールあり
思えば、戦争にも「戦争法」というものがあって、必ず、適切なルールに則って戦争が行われます。例えば、細菌やウイルスなんかの生物兵器が禁止されたりします。
戦争(人殺し)なのにルールがあるなんてなんだか不思議な気もしますが、これも、「戦争が必要悪だとしても、関係のない市民や子孫にまで悪影響を及ぼすのは、いくらなんでもやり過ぎだよ。それはどっちも望まないはず」という気持ちの表れでしょう。
そして、このことはカップルのけんかにも同じことが言えて、けんかするとしても、けんかをしてでも伝えたいことや譲れないことがあっても、相手を必要以上に傷つけるようなのは、明らかにルール違反なんですよね。衝突を乗り越えて、また仲良くやっていきたいがためのけんかなのに、膿を残して関係を悪くしては、完全に本末転倒。
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けんかをしがちなカップルさん。
まずは、けんかをするほど仲が良いことを、素直に喜びましょう。私の友達なんて、「彼氏とけんかしたいのに、怒っても「うん」しか言わない」なんて悩みを持ってる人がいるくらいなんですから(笑)。それくらい、カップルのけんかには価値があるもの。
一方で、ルールのないけんかには、強い副作用があることもお話ししました。
彼氏とのけんかにたまに遭遇するという人は、ぜひ、今後のふたりのためにも、「今度けんかするときとしても、こういうことはやめようね」という取り決めをしておくことをおすすめします。
ルールをきちんと守った正しいけんかなら、それはもう、はたから見れば猫ちゃん同士の甘噛み対決とほとんど同じ。微笑ましく、そして羨ましいものです。(遣水あかり/ライター)