恋愛って、言ってみれば、相手のことを好きになって燃え上がって、やがて気持ちが醒めて別れる、という一連の流れのことで、そういうことを何回も繰り返している人は「飽きた」と言います。
■ひとりで行けないところに行けた
ひとりで行けないところに、彼と一緒に行けた。たとえばこれが、恋の本質かもしれません。ひとりで行けないところとは、たとえば男くさいラーメン屋とかではなく、男女で協力しつつ、あるていどの時間を過ごさないと達成できない目標ってありますよね?
例を挙げるなら、大学時代、友だちにノートを借りるなど、なんらかの協力を得られていなければ、卒業できていなかった人っていますよね?
友だちではなく、彼が一緒に勉強してくれて、彼が勉強を教えてくれて、就活も一緒にがんばってくれたから、今のわたしがある、という人もいますよね。「彼と一緒じゃなければ到達できなかった目標」に達している人です。
つまり、ざっくりと拡大解釈していうなら、恋愛をとおして人間的に成長した、ということ。
■もっと真剣に遊ぼう!
人間的な成長というのは、言うまでもないことですが、辛抱して必死の努力でどうにか成長する人だっていますが、最近ではそういう人は少ないですよね?そういう必死の努力を推奨している識者も少ない。
最近の研究のなかには「楽しくやること」で、ある一定の目標がクリアできる、と結論づけているものもあります。「楽しく」というのは、遊び半分で心地いいことだけをしましょう、ということではないですよね。それでは本質にたどり着かない。
そうではなく、真剣にやること、真剣に遊ぶことで、本質が見えてきます。恋もおなじことです。
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冒頭に「相手のことを好きになって燃え上がって、やがて気持ちが醒めて別れる、という一連の流れ」と書きました。こういう流れに飽きる人って、話を聞いていると、彼と真剣に遊んでいないという傾向があるように感じます。
「なんとなく時間があるから」彼と一緒にご飯を食べて、お酒を飲んで、流れで寝て……というだけのサイクルを繰り返すことを、ふつう人は「真剣に遊ぶ」とは言わないですよね。
大学生なら彼と一緒に真剣に勉強し、サークル活動に取り組み、バイトをする。社会人ならたとえば、彼と一緒に社会人2年目か3年目まで、お互いに真剣に仕事をする。その合間に、お酒が好きな人は、彼と真剣にお酒を飲む。なんらかの趣味を彼と共有している人は、仕事の合間に真剣に趣味に打ち込む。
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こんなふうに彼と一緒に「真剣になにか」をすることが、「彼と一緒じゃないと行けない場所」にあなたを導いてくれて、結果的に「いい恋だなあ」と思えてくる、ということです。
真剣に遊ぶ人は、つねに真剣に仕事をする人です。
テレビの「志村けんのバカ殿様」に、いっとき優香が出ていました。バカ殿様のお城に遊びにきた優香が、殿に向かって「あそぼ!あそぼ!なにして遊ぶ?」と、かなり真剣に(バカっぽく)言うシーンがお決まりでしたが、ああやってワクワクしながら真剣に遊ぶことで、仕事も真剣にできるようになり、引いてはそういうことのすべてが「いい恋愛」につながります。
恋愛って、仕事と遊びの総合格闘技みたいなものだから。(ひとみしょう/文筆家)
(ササキミウ @M_Y_3733/モデル)
(Yoshifumi Shimizu/カメラマン)