たとえば、あなたが彼に隠れて浮気をして、彼に「浮気なんかしていない」とウソをつく場合、浮気をすることの是非は別にして、「彼のことを傷つけたくないからウソをついた」ということであれば、それは効果的ないいウソです。
■歌詞に見る「効果的なウソ」
たとえば、皆さんがカラオケで歌っている歌にも、効果的なウソがたくさん散りばめられています。
そもそも歌詞には、何割か、実話が含まれていることが多いものです。
「彼が転勤で遠距離恋愛になってしまい、なんとなく別れてしまった」という実話があったとします。でも歌詞を、そういう妙にリアルにして冗長な設定で書いても、ふつうはリスナーに響かないので、そういう時はたとえば、彼が死んでしまったことにするわけです。
「彼が死んでしまってもなお、彼のことが好きすぎる」という、いわばMAXの状態をでっち上げて、聴いている人の心を掴む……これがひとつの作詞の手法のようです。
■倍以上褒めること
身近な恋愛になぞらえて言うのであれば、彼のことを倍以上褒めるというのは、恋愛における効果的なウソのつき方です。
彼のことが大好きなのに、彼がそっけない態度しか示してくれないとき、彼女としてつくべきウソとは……。
たとえば、彼が「まあまあ」しか仕事ができない男と知っていても、「あなたは仕事ができる人だからかっこいい」というウソをつくとか……あるいは、彼に似ている芸能人なんかいないのに、「あなたは芸能人の〇〇君に似ていてかっこいい」と言うとか……。
こういうのは、好きという気持ちを効果的に伝えることができるいいウソ、つまり恋愛における「効果的なウソ」です。
■最低のウソ
でも、そういう効果的なウソが高じると、最低のウソになったりします。
たとえば……彼のことが好きすぎるにもかかわらず、彼はほかの女子とご飯に頻繁に行っている……たとえば、こういう状況の時、彼がほかの女子とご飯に行っている現場を目撃していないにも関わらず、「この前、〇〇ちゃんとご飯を食べているところを目撃した」とウソをつくとか、……あるいは「〇〇ちゃんはあなたのことを、『ごはんにばかり誘ってくるウザい男だと思っている』と、友だちから聞いた」とウソをつくとか……こういう女の狂気というか、嫉妬がウソに含まれたら、それは最低なウソになります。
女の狂気とか嫉妬がつかせるウソというのは、彼の気持ちを暗くさせることはあっても、明るくさせることは絶対にないからです。
そういうウソをついていると、ウソをついている彼女も、ウソをつかれている彼も、ふたりとも気持ちが落ち込みます。
つまり、恋愛における最低なウソなわけです。
***
恋愛に限らず仕事でも親子関係でも、なんでもそうですが、効果的にウソをつくというのは、非常に重要なことです。
母親のことがあまり好きではないのに、母親に「好きだよ」と言い続けていれば、そのうち親子関係が良くなってくることもあるように、恋愛においても効果的なウソをうまく活用すれば、彼ともっとラブラブになれるでしょう。
ただし、それが行きすぎて、女の狂気や嫉妬がそこに含まれてくるようになれば、それは最低のウソにしかなりません。(ひとみしょう/ライター)