ファッションって、自分の印象を決めるとっても重要な要素ですよね。
どんな女子だって自分のキャラクターを多少なりとも意識した服に身を包んでいるのではないでしょうか?
そこで今回取り上げるのは「シャネル女子」と「無印女子」。ブランド愛を貫く女性と、あえて“ロゴ”には捉われない女性。お互いに並々ならぬコダワリを持っているようですが、ふたりの恋愛とはいかに…?
◇「シャネル女子、無印女子」来店
マチコ(以下マ): 店長、さっきの二人組、長かったですねぇ。いくらうちの店が空いてるからって、グラスワイン一杯で、あれだけよく粘りますよね。
サトコ(以下サ): それにしても「全身、シャネル女子」と「全身、無印女子」ってな感じの対照的な二人組だったわね。
マ: ほんとに。シャネル女子については、おいおい、今どき、そのデカいロゴを、そんなにたくさん、耳と指と胸と足にくっつけるか?ハイヒール・モモコかよ!って突っ込み入れたくなりましたよ。
サ: ハイヒール・モモコて!マチコも意外と古いこと言うわね。でも、彼女は、いわゆるモモコ的シャネルじゃなくて、洗練された都会的シャネルコーディネートって感じだったけどな。
マ: そうですかぁ?それにひきかえ、私は、連れの無印女子が爽やかで好感度高かったですね。暑いので麻素材を巧みにコーディネートしました、的な。
サ: 全身、無添加の洗剤で、よーく洗濯してます的な?
マ: そうそう。家では自家製の梅酒作ってると思いますよ、CHOYAですら買わないです、きっと。清貧てやつです。
◇「ブランド品は持たない」というブランドづけ
サ: …ねえ、前から言おうと思ってたんだけど、マチコって、女の子に対しての視点が「モテない男」のそれだよね。
マ: え?どういうことですか、それ?
サ: 「ブランドずくめだから派手でイヤな女、無印だから慎ましくて性格がいい女に違いない」って思ってるでしょ。
マ: ……そうですね?
サ: その単純な考え方が「モテない男」だってのよ。い~い?あの無印女子は、心から無垢で無印なわけではなく、実際はとっても印を欲しがってるの。自分のブランドを意識するあまりに、『ブランド品を持たない、清貧な自分』ってのを演出しようと必死になってるタイプね。
マ: え、それは考えすぎじゃないですかぁ?
サ: 絶対そうよ~!だって、シャネル女子が無邪気に、金の鎖のおニューバッグを見せたときの無印女子の反応、覚えてる?
『うーん……またシャネル?』
マ: って、明らかに顔を曇らせてましたよね、彼女。
サ: そうでしょ。正しい反応は『いいなー!シャネルバッグじゃーん!』ってこれよ。素直にそう言えないって、ちょっとひねくれ過ぎ。
マ: きっと無印女子、シャネル女子の物欲もりもりっぷりに嫌気がさしてるんですよ。
◇良い店で合コンをセッティングされる「私」
マ: そういえば、シャネル女子、途中、合コン話でのプチ自慢が止まらなかったじゃないですか。
サ: あ、最近ふたりで行った合コンの話ね。
『この前の、広告代理店男が選んだ店は、「食べログにも載ってない隠れ家だからね」ってもったいぶられたけど、隠れすぎてて、迷ってる間にシャネルのサンダルの踵が取れちゃってムカついた~!』
サ: …とか言ってたわね。連れてってもらったちょっと良い店の話ばっかり。
マ: そうそう。要するに彼女は、「良い店で合コンをセッティングされる私=価値が高い」って発想なんですよね。だから、全身をシャネルの鎧で覆わないと安心しないんです。男の人に安い女に見られる事を何より恐れるタイプですね。
サ: まあ分かりやすいタイプよね。
◇「一点ものを選ぶ私」プライスレス
サ: それより私、無印女子の持ってるバッグの素性に度肝を抜かれたわよ。
『京都郊外に住んでる農家の主婦が、独自の薬草で染め上げた縄で編んだバッグ』
マ: ってやつですね。絶妙に微妙な色のグラデーションのかごバッグでしたね。
サ: それって、いくら何でもこじらせ過ぎじゃない?(笑)「ブランド品には踊らされない、本当に良質の一点ものを選ぶ私、プライスレス、Yeah!」みたいな。
マ: でも、たしかに、量産されるシャネルとは違って、あの一点物のバッグはプライスレスだって言いたくなる気持ちはすごくわかりますよ。
サ: いくらプライスレスって言ったって……いいとこ原価率3%のかごバッグよ、目を覚ましてちょうだいな。どうせぼったくられるのなら、京都郊外の農家の主婦じゃなくて、シャネルにぼったくられたいわよ。
マ: ……。
◇「したたかな女」が最終的に勝つ
サ: そうこうしてるうちに、無印女子のLINEへの着信で、ふたりの会話は一気にクライマックスを迎えたわよね。
マ: 噂をすれば何とやらで、隠れ家を予約した広告代理店男が、来週の無印女子の誕生日に、さらなる隠れ家を予約してることが発覚。
サ: シャネル女子、ちょっと顔が引きつってたよね。「いつから付き合ってたの…?」って。
マ: 無印女子も「まだ付き合ってるとは言えないの。それなのに、『シャネルでも何でも買ってあげるよ』だって……」とか言っちゃって。
サ: 「…いいじゃない、買ってもらいなさいよ~!(笑)」って言うシャネル女子の声は可哀想に、ちょっと震えていたわよ。
マ: そこで無印女子の追い打ち。「広告代理店の男の人って、派手な世界にいる分、自分の彼女や奥さんには保守的だから、物欲はまだ見せたくないの」がキマりました。
サ: 「まだ」見せたくないて!
マ: おまえ、物欲あるんか!と。
サ: ほらね~。無印を装ってはいるけど、その実、物欲はちゃんとある。ただし、その物欲は、「エリート」の印を持った男と結婚に持ち込んでからしか見せない。う~ん、したたか!(犯人A子/ライター)
◇今回のまとめ
どうやら恋愛面では無印女子に軍配が上がったようですね。
全身をシャネルの鎧で覆うことで自分自身を“高級な女”に仕立て上げている「シャネル女子」。見るからにきらびやかで男性との縁も豊富そうですが、そのプライドがどうやら裏目に出てしまうようです。
対する「無印女子」は目先のブランド品には見向きもせず、“エリート旦那”を賢く捕まえるため、「清貧無印ブランド」に身を包んで勝負に出ました。「ブランド好きじゃないって言っておいて結局自分のブランド守ってんのか~い!」とツッコみたくなるところではありますが、これもひとつの成功方法ですね。
かたちは違えど、さまざまな“ブランド”を身につけて男性にアプローチするふたりでした。