グーグルには「グーグルの理念」というものがあり(全部で10個あります)、そのひとつは「悪事を働かなくてもお金は稼げる」というものだそうです。
■「悪いお金」ってなに?
グーグルが言う「悪事」のひとつは「グーグルが検索結果のランクに手を加えて、特定のサイトの検索順位を上げること」だそうです。
要するに、どれだけお金を積まれても、検索順位はあくまでも検索している人に親切でなければならないというポリシーを貫いているということです。
クリーンだし、知性とお行儀の良さを感じるポリシーではないかと思います。
仕事でお金を積まれたら、グレーな仕事であっても、とにかくどうにかやってしまって、お金を儲ける……これは、程度の差こそあれ、いくつもの企業が実際にやっていることだろうと思います。
そういう企業であなたの彼が働いていたら、あなたはどうしますか?
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そういう類のお金でもいいから、とにかく稼いできてもらいたいと思いますか?
それとも、グレーな仕事の内容にもよるかと思いますが、それがブラックに近いグレーであれば、彼に「たくさん稼がなくてもいいから、もっとクリーンな仕事に就きなよ」と言いますか?
質問を投げかけたまま次の話をするのもなんなので、ひとつの答えらしきものを言うなら、池上彰さんは「そのときどうするのか、を決めるのが、その人が持っている教養である」と言っています。
むずかしい言い方かもしれないので、以下に簡単に私の解釈を書きます。
■「いいお金」に恵まれる人
ブラック企業で、悪いことと知りつつ仕事をしている人や、いつ転職の危機にさらされるかわからないとビクビクしている人に、恋愛なんてできません。
自分に自信を持って堂々と仕事をしている人か、きちんとクリーンな仕事を目指している人でないと、恋なんてできません。
そういう人は、仕事へのモチベーションを持ち、「君子危うきに近寄らず」的に、わりと身の回りをクリーンに保っているので、充実した人生を送っていて、結果的にポジティブな気持ちでいられるので、自然と恋愛ができるようになっています。
でも、ある程度のグレーは黙認しないと稼げない世の中なので、当然、充実した人生を送っている男子は比較的少なく、多くの男子はグレーゾーンの中でグレーなお金を稼いでいます。
ですから、現代の世の中で恋に積極的になれる男子は少ないと言ってよいのかもしれません。
男にとって、お金とこの世のグレーゾーンは、切っても切れない関係なのです。
女子もおなじかもしれませんが、結婚後に「主夫」という選択肢を選ぶことがかなりむずかしい男子はとくに、世間のあり方とお金ことについて格闘していると言えるのではないでしょうか。
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グレーゾーンの中でお金を稼いでいる男を、女子としてどう見るのか? そういう男にどういう言葉をかけてあげるべきなのか?
これは、若いうちに考えて、答えを出しておいたほうがいいかもしれません。
答えのひとつは、昔からある言葉、「内助の功」です。
女子も働く時代ですから、男女お互いに「内」で「助け」合う必要があるわけですが、女子は女子で、男とお金の関係を考えてみてはいかがでしょうか。
「悪事を働かなくてもお金は稼げる」と胸を張って言える仕事に就いている男女がつきあって結婚するのが一番いいというのは、言うまでもないことです。(ひとみしょう/ライター)