男子は中高生くらいで、女子のそこはかとない怖さを知ります。
■オトナの恋愛=95%の恋
でもオトナになってもまだしつこく「彼の全部が好き」「全部が嫌いになった」と言っているようではいい恋愛はできません。
言うまでもなく、恋愛とは、彼のいいところも、好きになれないところも、まるごとを受け止めないと成立しない気持ちだからです。
だからオトナになれば、95%くらい好きになれる彼とつきあうといいと思います。
あとの5%は好きになれなくて全然OKです。
そもそも完璧な人間なんていないわけですから、それでいいんです……と、雑に言えばこういうことですが、もっと丁寧に言うなら……。
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たとえば、60歳を過ぎて再婚した夫婦がいます。
お互いにバツイチで、いろんな恋愛をしてきて、再婚したカップルです。
そういうカップルの奥さんはこう言いました。
「旦那はお酒を飲むと酒癖が悪いし、60歳にもなって貯金もロクにないし、仕事をしたと思えば翌日には会社の人と喧嘩をしてまた無職になる。でも、そういう旦那のことが好きなんです」
■あなたを映す鏡
そして、よくよく奥さんの話を聞いていると、奥さんのほうも酒癖が悪かった過去があったり、仕事を3日で辞めた過去があったりします。
つまり、彼女に対する彼氏というのは、彼女を映す鏡だということです。
相手のことが100%好きじゃないと恋愛ではないと言っている女子というのは、自分のことがよくわかっていない女子です。
どんなに完璧そうに見える女子だって、いたらないところがあるはずです。
そのいたらないところを映す鏡を探しきれていないから、100%の恋愛対象を求めてしまうのです。
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だから「最高の恋愛」というのがもしあるとすれば、それは自分のいたらなさを映せる相手を好きになる行為、ということです。
彼のあそこがダメ、ここがダメ……というのは、自分に対するダメ出しと同じなわけです。
それでは悲しいですよね。
95%くらい好きな彼に、自分を投影して、彼のダメなところを、あたかも自分のダメな部分であるかのように受け止めてあげること。
これが100%の恋愛です。(ひとみしょう/ライター)