以前、彼とつきあうまでは、彼の言動を3割増で好意的に評価し、信用してあげたほうがつきあいやすいのではないか、というお話をしました。
「いい人」になりたがっている男たち
男子って、つきあっている彼女に「いい人」だと思われたいと思っています。つきあっている彼女に「悪い男」だと思われてもべつにど~ってことない、と考えている男子だっているかもしれませんが、ふつうは、つきあっている彼女に「いい人」だと思われたいと思っているものです。
少々極端な例ですが、怖そうなお仕事をしている男が、なにかの犯罪で逮捕されたとき、「奥さんとは仲がよかったように見えました」という「近所の人の証言」がニュースに出てきます。
近所の人にも親切でやさしかったのに、まさか、あの人が罪を犯すなんて……という証言だって出てきますよね。
男はつねに身近な人に「いい人」だと思われたいのです。
女子の限界・男子の限界
女子だって、つきあっている彼氏や身近な人に「いい人」だと思われたいと思っているのだろうと思います。
でも女子の場合は、生まれつき「いい人」の基準を、潜在的に明確に持っている。こういうことも言えるかと思います。
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たとえば小学生のころから、先生や親に怒られるのは、どちらかというと女子ではなく男子だったと思います。
男は「やってはいけないこと」の「限度」を、つい、ふらっと超えてしまいやすく、女子は「このへんにしておかないとヤバイかも」という「限度」を無意識のうちにわきまえているのではないか――男子よりも、生まれつき平和で温和な思考を持っているのではないか、という仮説がここに生まれます。
3割引の法則
男は、つきあった彼女に対して「無理をして」「いい人」であろうと努力しているということが言えるのではないでしょうか。
その無理に「やっぱりわたしの彼氏はかっこいい、やさしい」と、うっとりするのは、彼女の自由ですが、そこはやっぱり3割引で捉えたほうがいいでしょう。
理由は簡単で、無理はそう長くは続かないからです。
もちろん彼氏が無理をしている背景には、男の見栄があり、どうじに彼女を傷つけたくないという思いがあるわけで、その彼の思いを、彼女として3割増で受け取ろうと、5割増で受け取ろうと、それはその人の自由です。
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でも、男から「無理をしている男」を見ると、「ああ、このカップルはいずれ破綻するだろうな」と思うことだってありますし、じっさいに破綻したカップルだっています。
男女お互いに背伸びをしないつきあいをするのは、むずかしいことなのかもしれませんが、つきあったあとは特に、彼が「どこまで無理をしているのか」を、彼女は冷静になってしれっと観察し、彼が無理をしていたら「そこまでしなくてもわたしは別れないからだいじょうぶだよ」と言ってあげるといいように思います。男って、ほうっておいたら「かなり」いい人になろうと無理をする生き物なんです。(ひとみしょう/ライター)